柔道ニュース 『平成24年度 全日本ジュニア柔道体重別選手権』

みなさん、こんにちは。

今日は敬老の日です。山崎道場では、越谷市民大会の日でもあります。
私もこれから両親と一緒に会場に行きます。みな日頃の成果を発揮できるよう頑張って欲しいと思います。

さて、今日のテーマは『全日本ジュニア』です。
9月8日~9日に埼玉県武道館にて開催されました。
私は2日目の日曜日に会場にて観戦しました。

この試合は全国各地の予選を勝ち抜いた選手と、推薦選手で争われます。
ジュニアとは、今年で言えば2012年中に15才から19才になる選手、平成5年1月1日から平成9年12月31日までに生まれた選手を指します。
精鋭達ばかりなのですが、この日の私の注目選手は以下の3人でした。

・横山選手(国学院栃木中⇒国学院栃木高校3年。100㌔超級)
今年の春・夏の高校チャンピオン。力善柔道クラブ出身。

・ベイカー選手(文京一中⇒東海大浦安高校3年。90㌔級)
団体戦高校3冠の立役者。
今年の春・夏の高校チャンピオン。春日柔道クラブ出身。

・嶺井選手(埼玉県東松山市立南中3年。63㌔級)
出稽古等でお世話になっている三郷柔道クラブ出身。
全中で1年生から活躍。今年の全日本カデ優勝、関東ジュニア優勝など。

この3選手が、歳上の精鋭逹とどんな試合をするのか注目して見ていました。

結果は以下の通りです(各階級上から優勝、2位、3位、3位。敬称略)。

【男子】

55kg級
宮川(安田学園高2年)
永山(大成高1年)
羽鳥(帝京科学大2年)
楠本(甲南大1年)

60kg級
大島(国士舘高3年)
田中(白鴎大足利高3年)
藤澤(国士舘大1年)
林(北海高3年)

66kg級
丸山(天理大1年)
橋口(延岡学園高3年)
髙市(東海大1年)
渡邊(大成高3年)

73kg級
佐藤(桐蔭横浜大2年)
星(国学院大1年)
宮山(近大附属高3年)
山本(帯広農高2年)

81kg級
永瀬(筑波大1年)
小原(東海大相模高3年)
平井(東海大1年)
上田(東海大1年)

90kg級
大町(大牟田高3年)
小林(筑波大1年)
ベイカー(東海大浦安高3年)
長澤(東海大1年)

100kg級
小川(国士舘大1年)
田﨑(国士舘高2年)
石内(天理大1年)
河端(東海大相模高3年)

100kg超級
飯田(山梨学院大1年)
井上(国士舘大2年)
上田(明治大1年)
遠藤(国士舘大1年)

【女子】

44kg級
坂口(国際武道大1年)
濵田(大成高3年)
藤﨑(芸濃中3年)
堤(登別大谷高3年)

48kg級
岡本(藤枝順心高3年)
山﨑(山梨学院大1年)
渡名喜(修徳高2年)
髙﨑(三浦学苑高3年)

52kg級
志々目(帝京大1年)
宮川(コマツ)
黒木(環太平洋大1年)
鶴岡(新田高3年)

57kg級
芳田(敬愛高2年)
原田(夙川学院高2年)
西尾(帝京高1年)
山本(桐蔭学園高3年)

63kg級
津金(松商学園高2年)
佐野(山梨学院大1年)
嶺井(東松山南中3年)
野田(東北高3年)

70kg級
長内(高岡龍谷高3年)
新井(三井住友海上)
髙山(鹿児島南高3年)
西村(山梨学院大1年)

78kg級
梅木(阿蘇中央高3年)
西田(山梨学院大1年)
吉村(三井住友海上)
髙松(山梨学院大1年)

78kg超級
朝比奈(渋谷教育学園渋谷高1年)
橋本(淑徳高3年)
藤原(大成高3年)
月波(新田高2年)

さて、注目の3選手です。
【横山選手】
2回戦
対浅野選手(近江高校2年)
技あり⇒有効⇒技ありで完勝。

3回戦
対倉橋選手(東海大1年)
昨年の東海大相模高のポイントゲッターだけに分が悪いかと思いましたが、残り30秒有効優勢勝ち、さすがです。

準決勝
対井上選手(国士舘大2年)
一昨年の国士舘高のキャプテン。昨年この大会3位の選手。善戦むなしく指導2負け。

3位決定戦
対上田選手(明治大1年)
愛知・大成高時代、去年のインターハイ3位。
最後は押さえ込まれ一本負け。

結果5位でしたが、これから楽しみな選手だと思いました。
地方選手は、稽古相手など環境的にはハンデもあると思います。その分今後の伸びしろも大いに期待できるのではないでしょうか。
今年はインターハイも全中も、男子の最重量級優勝は栃木県代表の選手でした。最近は中⇒高⇒大の一貫教育、結果として首都圏へ選手集中の傾向にありますが、一方でこうした地方選手が今後どこまで成長してくれるかとても楽しみです。

【ベイカー選手】
2回戦
対藤田選手(松山大1年)
藤田選手に指導1のあと、大内刈りで一本勝ち。

3回戦
対新添選手(平安高校3年)
勝ち上がるかと思った郡司選手(慶應義塾大1年)を内股一本で会場を沸かせた選手。
腕ひしぎ十字固一本勝ち。

準決勝
対小林選手(筑波大1年)
埼玉栄高出身。お兄さんは、日大⇒ALSOK(綜合警備保障)で活躍している大輔氏。
小林選手に指導1、ベイカー選手の流れかと思われましたが、ケンカ四つからベイカー選手がやや強引に大腰に入ったところを、透かすように一瞬の内股で小林選手の一本勝ち。

3位決定戦
対山下選手(立命館大2年)
大腰一本勝ち、見事3位でした。
力強い柔道が魅力なのですが、組み際の技や強引に入る技、接近戦が多い感じがしました。将来世界で活躍して欲しい選手なので、間合いを取る柔道も大事なのではと思いました。

【嶺井選手】
2回戦
対橋本選手(帝京高校2年)
今年の全日本カデ2位の選手だけに、どんな試合になるか注目していましたが、有効を取った後、最後は相手が出てくるところを見事な払腰一本で完勝でした。

3回戦
対宇野選手(南筑高校3年)
去年の世界カデ優勝の池選手に勝って上がってきた選手なので、どうなるかと思いましたが、GS(ゴールデンスコア)大外刈で見事に一本勝ち。

準決勝
対佐野選手(山梨学院大1年)
去年のこの大会も、インターハイも優勝した選手。今大会推薦出場。
これだけ実績ある選手に対し、真っ向勝負して、しかも良い勝負をしていました。
先に仕掛けたあと、もつれてから技ありをとられ優勢負けでしたが、負けて尚強しを印象付ける試合ぶりでした。

3位決定戦
対鍋倉選手(大成中3年)
中学生ながら東海ジュニアを制した逸材。今年の全中ではお互い圧倒的な強さで勝ち上がり決勝を戦いました。旗判定2対1の接戦ながら優勝したライバル選手。
今回は、嶺井選手が指導2でGSにならずに優勢勝ち。
最年少で見事3位に輝きました。全中で3年連続2位という悔しい思いをつい先日味あわされた選手にリベンジしたことになります。試合後、監督の前で涙していました。いろいろな思いがよぎったのだと思います。全中の悔し涙を見ているだけに感動しました。
嶺井選手は、小学4年から出稽古や地元の大会等で注目していた選手です。
話していてもとても感じが良く、応援したくなる選手です。ケガに気を付けて、将来世界で活躍できる選手を目指して欲しいと思います。

最後になりますが、大会の進行がとてもスムーズで、すばらしかったと感じました。
以前は講道館でしたが、最近は埼玉県武道館で開催されています。
競技部長の小池先生(春日部工業高)や小坂先生(上尾鷹の台高)始め、地元高校生の係員の方々まで、関連の皆様のご努力に、改めて敬意を表したいと思いました。

平成24年9月17日
【第106号】