柔道ニュース 『平成25年東京都柔道選手権大会(兼、全日本柔道選手権大会東京都予選会)』

みなさん、こんにちは。

この時期は三寒四温だと前回書きました。それにしても、今年は極端ですね。

前日より10度以上も高かったり低かったり。

おまけに花粉やPM2.5、先日は砂嵐まで。

体調管理が大変ですが、ポジティブに捉え頑張って行きましょう。

 

さて、今日のテーマは 『平成25年東京都柔道選手権大会(兼、全日本柔道選手権大会東京都予選会)』 としました。

 

毎年この時期に全日本選手権の最終予選が開催されます。

今年は東京と関東が重なった関係か、会場である東京武道館は例年に比べ空席が目立ちました。

早めに会場に到着すると、選手達が独自のやり方でアップしていました。若い柔道選手はこの様子を見るだけでも参考になると思います。

 

さて試合です。会場では女子の予選も行われていましたが、男子の試合について掲載します。

私は、大きく4つの事柄に注目し観戦しました。

 

①新旧対決

活きの良い若手と熟練したベテランとの対戦に注目。

若手では高校生が4人出場、他にも大学2年生の王子谷選手(東海大)や原沢選手(日大)等。ベテランでは棟田選手・大藤選手など。

 

②体重無差別

重量級と対戦する中量級の試合運びに注目。

今年の中量級は、大束選手(旭化成、73㌔級)、平尾選手(パーク24、81㌔級)、海老選手(旭化成、81㌔級)など。

 

③大学の勢力図

本戦出場人数を大学別に比較し勢力を分析。

例年多数の代表を輩出している国士舘や東海に対する、他校の進出に注目。

 

④強化選手の試合内容

強化選手の今シーズンの仕上がり状態を確認。

上川選手(京葉ガス)、原沢選手(日大)、百瀬選手(旭化成)、王子谷選手(東海大)、小林大輔選手(ALSOK)、熊代選手(ALSOK)、長島選手(JRA)など。

 

【試合結果(以下敬称略)】

優勝   原沢(早鞆高⇒日大2年)

2位   渡辺(埼玉栄高⇒明大4年)

3位   田中大貴(国士舘高⇒国士舘大3年)

3位   百瀬(国士舘高⇒国士舘大⇒旭化成)

5位   北見(東海大相模高⇒東海大⇒警視庁)

5位   棟田(世田谷学園高⇒明大⇒警視庁)

5位   中川裕喜(皇學館高⇒日大4年)

5位   小林大輔(埼玉栄高⇒日大⇒ALSOK)

 

以上の上位8選手が本選出場です。おめでとうございます。

優勝した原沢選手は、序盤2試合目くらいまで硬さを感じましたが、徐々に本来の力を発揮していったように思います。

2位の渡辺選手、3位の田中選手は、すばらしい活躍でした。渡辺選手は、王子谷選手にも終始攻め勝っていたと思います。逆に王子谷選手はだいぶ疲れが見えました。

棟田選手は貫禄と言いましょうか、相手の一瞬の隙を逃さない巧さに一日の長があったように思います。これで何と15年連続15回目の出場、昨年自ら達成した新記録をさらに更新しました。1回でも出れば一流と言われる全日本ですから、途方もなく偉大な記録です。一方で日本柔道の将来を思えば、複雑な心境ではあります。

大藤選手を敗った土屋選手(中大)は、全日本には一歩届かずとも(第一補欠)、今後も大いに注目したい選手の一人です。

中量級の大束選手は、体重倍近い岩尾選手(国士舘大)に判定負けでしたが、判定結果に会場からどよめきが起きるほどの接戦でした。

全日本出場経験もある平尾選手と海老選手は、残念な結果でしたが、こうした中量級選手は今後もたくさん出場して欲しいものです。

長島選手は、欧州遠征から帰国直後の影響からか、緒戦で同じ階級の吉井選手(パーク24)に合わせ技で一本負け、熊代選手は2勝後、王子谷選手に敗れました。

上川選手は緒戦で北見選手に一本負け。北見選手は全日本出場経験もある選手ですが、上川選手は前年の重量級五輪代表ゆえに残念です。

また、東海大相模高から慶応大に進んだ藤井選手(現3年・全日本シニア強化選手)は、ここで勝てば全日本という試合で田中選手に敗れもう一歩届きませんでした。

【出身大学別出場者状況】

◆今年

日本大学    3人

国士舘大学 3人(前年優勝の高橋選手の推薦出場含む)

明治大学     2人

東海大学     2人(前年全日本2位の石井選手の推薦出場含む)

 

◆昨年

国士舘大学     3人

東海大学         3人

明治大学         2人

中央大学         1人

日本体育大学    1人

 

◆一昨年

国士舘大学      6人

東海大学          2人

明治大学          2人

日本大学          1人

日本体育大学  1人

 

(合計人数の差異は推薦選手の関係)

 

ご覧のように今年は日大の躍進が光りました。

一方、東海大(卒&在)の吉田(優)選手・高木選手・羽賀選手らの勇姿はなく、来年は是非元気な姿を見せて欲しいと願います。

 

同日に近畿予選が開催され、強化選手を辞退し国際試合から引退した穴井選手(天理大職)が優勝、全日本出場を決めました。

 

最後に柔道ファンの一人として、今回圧倒的な強さで勝ち上がる選手を見る事はできませんでした。

かつて世界で活躍された、井上康生氏・鈴木桂治氏を思えば、原沢選手はじめ各選手に更なる努力を期待せざるを得ません。

 

全日本選手権は4月29日です。今から楽しみですね。

 

 

【柔道関連テレビ情報】

第35回全国高等学校柔道選手権大会

 

お馴染みの春の高校選手権です。試合は19日と20日の2日間、日本武道館にて開催されます。

中継は以下の通りです。

 

3月24日(日) 13:00~14:50

NHK  BS1

 

男女とも熱戦が期待されます。是非ご覧ください。

 

平成25年3月15日

【第117号】