みなさん、こんにちは。
サッカーのワールドカップがブラジルで開催されています。日本は残念ながら予選リーグで敗退してしまいました。
結論から言うと選手は良くやったと思います。でも、他国と比べやはり実力が足りなかったというのも正直な感想でした。サッカーも柔道と同じで取るべき時に取り、抑えるべき時は抑える事の出来るチームが強いですね。
さて、今回のテーマは『平成26年度 全日本学生柔道優勝大会』としました。
6月28~29日、日本武道館にて開催されました。私は29日の午後、男子の準決勝から現地で観戦しました。
この大会は過去第33号(平成22年度)と第103号(平成24年度)にも記載しており、33号では試合人数等にも触れていますので宜しかったらご覧ください。
さて、今年の見処は連勝中の東海大学(以降東海と略させて頂きます)の7連覇なるか、2年連続決勝で涙を飲んでいる日本大学(日大)の3度目の正直なるか、戦力の整った筑波大学(筑波)や国士舘大学(国士舘)を入れた4校が4強ではないかと注目していました。
組み合わせ表を見て、準々決勝で筑波と国士舘が同じブロックに入っていましたが、日大と東海は順当に勝ち上がりました。
結果、準決勝の組み合わせは以下の通りとなりました。
東海ー天理
日大ー筑波
国士舘が準々決勝で姿を消しました。2対2の内容差での敗戦でしたが、浅沼/井上/小川/遠藤選手等高校時代から活躍していた選手が多く、準決勝で勇姿が見られず残念でした。終了後、田崎選手が大きなゴミ袋を抱えて持ち帰っている姿を見ました。来年は頑張って欲しいですね。
東海対天理の準決勝は、附属高校出身者を中心にメンバー構成している点では共通ですが、東海は高校時代から全国で名を轟かせていたスター軍団で選手層が厚いのが特徴、天理も有名選手は多いものの、東海に比べ小柄な選手が多いといった印象でした。
【東海大学】(以下敬称略)
先鋒 渡辺 4年 85㌔ 東海大浦安高校 インターハイ2位
次鋒 ウルフ 1年 103㌔ 東海大浦安高校 インターハイ優勝
五将 阪本 3年 100㌔ 大成高校 インターハイ3位
中堅 王子谷 4年 130㌔ 東海大相模高校 インターハイ優勝
三将 谷井 4年 100㌔ 小杉高校 インターハイ優勝
副将 ベイカー 2年 90㌔ 東海大浦安高校 インターハイ優勝
大将 長澤 3年 90㌔ 作陽高校 インターハイ予選は勝ち上がっていたが当日欠場
【天理大学】
先鋒 土井 4年 73㌔ 天理高校 インターハイ優勝
次鋒 北林 4年 90㌔ 天理高校 インターハイ出場
五将 辻本 4年 100㌔ 汎愛高校
中堅 西尾 1年 113㌔ 天理高校 インターハイベスト8
三将 石内 3年 102㌔ 高水高校 インターハイ優勝
副将 村上 4年 90㌔ 宇和島東高校 インターハイ優勝
大将 丸山 4年 84㌔ 桐蔭学園高校 インターハイ3位
先鋒:小柄な土井の技有優勢勝ち
次鋒:1年生ながらウルフが大内刈一本勝ちで1対1
五将:引き分け
中堅:王子谷が開始早々の袖釣込腰一本
三将:谷井の指導4反則負け。これで2対2ながら、内容差で東海リード
副将:ベイカーの大内刈一本勝ち。これで東海の決勝進出決定
大将:丸山が意地を見せ技有優勢勝ち。
結果、3対3ながら内容差で東海が決勝進出しました。取って取られてのシーソーゲームで手に汗握る熱戦でした。
敗れたとは言え、天理の選手は動きが良いなと感じました。昨年の苦い経験を経て、きっと特別な思いで日本武道館の畳に上がったのだと思います。
一方の日大と筑波の準決勝ですが、両校とも高校時代は特別目立った選手は少なく、大学に入ってから伸びた印象が強いチームです。ただ、筑波は小林や長倉が出ていなくベストメンバーは組めていない印象でした。
【日大】
先鋒 制野 3年 102㌔ 東北高校 インターハイ出場
次鋒 原沢 4年 122㌔ 早鞆高校 インターハイ3位
五将 尾崎 2年 125㌔ 作陽高校 インターハイ3位
中堅 佐藤 1年 106㌔ 静岡学園高校 インターハイベスト8
三将 黒木 4年 123㌔ 宮崎工業高校 インターハイ出場
副将 レイズ 3年 97㌔ 前橋育英高校 インターハイ2位
大将 安達 2年 100㌔ 北海高校 インターハイ出場
【筑波】
先鋒 根津 1年 140㌔ 桐蔭学園高校 インターハイ出場
次鋒 尾原 2年 123㌔ 科学技術高校 インターハイ出場
五将 宇都宮 4年 81㌔ 崇徳高校 インターハイ3位
中堅 黒岩 3年 135㌔ 福大大濠高校 インターハイ出場
三将 神谷 2年 120㌔ 沖縄尚学高校 インターハイ2位
副将 橋高 3年 127㌔ 鶴来高校 インターハイベスト8
大将 永瀬 3年 81㌔ 長崎日大高校 インターハイ優勝
先鋒:引き分け
次鋒:開始早々原沢の払腰一本
五将:引き分け
中堅:1年生ながら佐藤が相手の反則(指導4)で勝利。日大が2対0でリード。共に全日本選手権に出た重量級の対戦。筑波には痛い一敗。
三将:神谷が内股有効優勢勝ちで筑波が1点返す
副将:レイズが縦四方で抑え込み一本勝ちで日大の決勝進出決定。
大将:引き分け
以上のような結果で3対1で日大の勝利でした。昨年の体重別団体で優勝した筑波の超級の代表である黒岩を下した佐藤の殊勲の一点が効いた試合だったと思います。
【決勝】
【日大】
先鋒 制野
次鋒 原沢
五将 大内 4年 94㌔ 仙台育英高校 インターハイ出場
中堅 レイズ
三将 安達
副将 佐藤
大将 黒木
【東海】
先鋒 阪本
次鋒 松雪 4年 100㌔ 東海大相模高校 インターハイ3位
五将 渡辺
中堅 王子谷
三将 ウルフ
副将 ベイカー
大将 長澤
両校とも準決勝とは1人ずつメンバーを入れ替えて臨んだ決勝戦。
先鋒:制野が小外刈有効優勢勝ちで日大が1点リード
次鋒:原沢が豪快に大外刈一本で日大2点リード
五将:開始早々渡辺が大内から見事な袖釣込腰一閃、一本勝ちで東海が1点返す
中堅:王子谷対レイズの好カード。一点欲しい東海だったが、引き分け
三将:安達が有効を先制するも、ウルフが逆転の内股一本。2対2ながら、東海が内容差でリード。
副将:ベイカー対佐藤の好カード。内容的には佐藤が押しており、有効1つに指導3まで取ったものの、ベイカーが引き込み返し技有のリードを守って勝利。東海の優勝が決定。
大将:長澤が大外返しで一本勝ち。
結果、4対2で東海が7連覇を達成、通算でも20回目の優勝をかざりました。どちらも新記録更新です。ただ、結果は4対2でしたが大接戦で、一歩間違えばどちらが勝者となってもおかしくない内容だったと思いました。私は、レイズが王子谷と引き分けた時点では、日大が有利かと思いました。でも、そこからウルフとベイカーの東海大浦安出身の低学年2人が踏ん張りました。この2試合も、もう一度対戦したらどうなるかわからない位接戦でしたが、そこで結果を残したので今回は東海が勝ったのだと思います。
準決勝も含め、今回は失点も多かったですが、最後は底力を感じました。
東海の皆さん、優勝おめでとうございます。
また、3年連続で決勝で涙を飲んだ日大は、本当に良くやったと感じました。高校時代の知名度や実績では劣っても、とても強いチームに仕上がっていたと思います。
特に今年や一昨年は優勝出来てもおかしくない内容だっただけに勝たせてあげたかったと、見ている者に伝わってくるような戦いぶりだったと思います。
午前中用事があり、試合は2時間も観戦出来ませんでしたが、今年も団体戦の面白さと怖さを十分に味わえた非常に良い試合を堪能させて頂きました。
また、来年が今から楽しみです。
※なお、この大会の模様は7月12日(土) 20:00~22:00 BS11にて放送予定です。
平成26年7月6日
【第134号】