みなさん、こんにちは。
6月も今日で終わり、明日からは早くも7月となります。
7月・8月は夏の全国大会や世界選手権など大会も盛りだくさん。山﨑道場も各大会や夏合宿など、イベントの多い季節でもあります。
暑い時期ですので、気持ちが緩むとケガにもつながります。体調管理とともにぜひ気を引き締めて夏を乗り切ってください。
さて、今日のテーマは『総合力』としました。
3月から全日本の東京予選、全国高校選手権、選抜体重別、全日本、実業団体、学生優勝大会と様々な大会を会場やテレビで観戦しました。
各ステージの最高峰の大会ですから、印象に残る熱戦も数多くありました。
一方で、どうしても往年の名選手と比較してしまうからでしょうか、まだまだ工夫の余地があるのではと思える場面も感じました。一柔道ファンの立場ではありますが、ご容赦願います。
1、立技から寝技への移行
立技で一本決まらず腹這いになる相手に対し、すかさず寝技への移行パターン
2、寝技の技術(攻撃)
そもそも寝技を積極的にしない、抑え込みが宣告されてから逃がしてしまう場面
3、寝技の技術(防御)
「亀のような防御姿勢」から抑え込み、絞め技や関節技を割と簡単に決められてしまうケース
4、チャンスを逃さない
現在のルールではGSになることも増えました。体力を温存し決勝戦を迎えるためには、少ないチャンスを生かすこと
5、連絡技
一発の卓越した技を極める事に越したことはありませんが、連続技・連絡技を駆使する、あるいは決め技に行く前のフェイントなどバリエーションは奥が深いと思います
歴史に残る名選手、例えば山下選手は立って良し寝て良しと言われ、特に立技から寝技への移行が「流れる水のよう」と評されました。また、連絡技も上手く、状況に応じた臨機応変さ、チャンスを確実に生かす「そつの無さ」も合わせ持っていたと思います。
6月23日、全柔連の新会長に山下氏が就任されました。会見の中で、東京五輪に向けて「メダルの色にこだわりたい」とコメントされていました。
以前聴講させて頂いた「柔道教育ソリダリティのシンポジウム」や「桜門体育学会」で、共に同じ写真が映し出されました。上半身裸になったリネール選手です。身長2メートル超、体重130キロを超す体躯でありながら筋骨隆隆で、腹筋も割れているし腕、胸、肩周りの筋肉も凄いものでした。日本人ではまずあり得ない体で、こうした選手と試合して勝つためには技術の向上しか無いという話には説得力がありました。
柔道は常に動きの中で、しかも相手が1人1人違い、右組左組だけでなく組み方もそれぞれだし、得意技も異なる状況で瞬時に体が反応して対応することが求められます。
やはり、最後にモノを言うのは「総合力」ではないかと思います。
今年の世界選手権、そして東京五輪でより多くの金メダルが取れるよう、そして、柔道界が更に活気付いて柔道を始める子供達がたくさん増えて行ってくれる事を願っています。
平成29年6月30日
【第168号】