柔道ニュース 『試合に臨む心構え』

みなさん、こんにちは。

今年の冬は寒いですね。40年以上ぶりの寒さだという事です。

以前に書きました小生が子供の頃の寒稽古を思い出しました(宜しかったら第4号をご覧ください)。

今から40年以上前、弟と2人で夜明け前の寒空を自転車で道場に通いました。北関東は風も強く、体感温度は殊の外寒く感じたものでした。しかも道場の窓は全開、中にシャツを着る事は許されず、昔の硬くて重い畳は、決してオーバーでなく氷のように冷たかったのを今でも良く覚えています。

子供たちももちろんですが、先生方も良くやっていただいたと思います。

まだまだ寒い日は続くと思います。 体調管理に気をつけてください。

 

さて、今回のテーマは『試合に臨む心構え』としました。

東海大学の上水監督の記事を読ませていただきましたのでご紹介させていただきます。

上水監督は熊本県生まれ、東海大相模高校⇒東海大学⇒同大大学院⇒ALSOKと進まれ、2008年から東海大学柔道部監督。

就任1年目から全日本学生柔道優勝大会7連覇。10年間全て決勝に進出して優勝9回、準優勝1回。 選手としても名門東海大学の主将など、活躍されていましたが、監督としても誰もが認める名監督だと思います。

そんな上水監督が学生に対してどう指導されているのか、とても興味がありました。 今回はその一端をご紹介させていただきます。

 

⇒優勝大会を前にキーポイントは

『準備以外何物でもないですね。選手に口酸っぱくして言っているのは「勝ったつもりでいるなよ」ということ。力のある選手が意識高く持って稽古に取り組んでいるから優勝できる。それは決してイコールでは無いんです。それでも勝てない時はあります。不確定要素は誰にも分からない。力のある時の方が危ないという危機感を共有していることの方がむしろ大事です。例えば大会当日が自分の生涯で最低のパフォーマンスの日かもしれない。それでも勝てる準備さえしておけば負ける確率は下がると思います』

 

『最初は日々試行錯誤でした。就任3〜4年目から少しずつ成功例が出るようになってきたんです。僕の指導がはまり、成果を出す選手が出てきたんです』

 

『最初はおどおどもしましたよ。でも、むしろそういった部分がある方が大事だったんじゃないかと思います。怖さを知りながら指導をしていたということです。怖さを知らず「オレの指導が正しい」「オレに任せておけば大丈夫」と思っていたら成果は出なかったような気がします』

 

『大切にしていることは、部員に合った指導を考えることです。男子は119人いるので、119通りを考えなければいけません。大変ではありますが、僕自身が勉強しないといけないし成長しないといけない』

 

⇒どんな柔道家を育てたいか?

『自分が理想とする柔道が出来る子は、120人近くいても2、3人だけです。それ以外は全部違う。その違う柔道の中でいかにその子の適性を見つけていくか。それが僕の大きなテーマで、そこからチャンピオンを、目標を達成する選手を作っていく。しかし、チャンピオンになれるのは一握りです。なれなかったとしても、その過程が財産になる。それを社会に出て生かして欲しい。その適材適所の指導法は、僕が目指すところだと思うんです。いろんな形のチャンピオンをつくっていきたいです』

 

上水監督が監督として実績を上げ、名将と言われる理由が分かる気がします。

東海大柔道部の創始者の1人であり、永世主席師範である佐藤先生は、上水監督が就任2年目のころにこんな話をされていました。

『上水監督はとても優秀。計画性があって、企画能力がとても高く、頭の回転も速い。あと、とてもシャープでリーダーシップもある。 彼は名監督になると思う。タイプ的には猛将じゃなくて、智将。智将タイプの名監督。僕は大いに期待している』

 

練習では『意味のない努力をするな』と合理的な指導を心掛けているとの事。ミーティングも重視しており、試合の仕方も考えていく練習も取り入れている。 乱取り(自由練習)においても、残り1分で相手にポイントを取られている状況を想定した練習など、色々な場面を想定して、日頃から鍛えている。

 

『試合の日が生涯で最低のパフォーマンスの日であっても勝てる準備』は、大学のトップチーム間においては相当難しいかと思います。それでも、たゆまぬ努力を続けているからこその栄冠なのですね。

また、上水監督は歴代監督と比べて競技実績が無かったため、批判的な声も受けながらも結果を出すためにはどうすべきかを考え、多方面から準備したり、様々な本を読んで勉強したそうです。

 

別に小学生の子供たちにこんな話を求めている訳ではありません。しかし、将来どんな道に進むにしても、やがて高校生になり、大学生や社会人になります。常に物事を多方面から考えられる、そして前向きに頑張れる人になって欲しいと、自戒の念を込めて考えています。

 

平成30年2月12日

【第174号】