『柔道ニュース始めます』

本コーナーを担当します、奥澤恵太の父です。
現在、山崎道場は5年生4名、4年生1名、3年生7名、2年生1名、1年生5名、年長1名という構成で柔道修行に励んでいます。
山崎先生は、プロフィール通り輝かしい実績をお持ちであり、長年培われた卓越した高度な技術を大変解りやすく子供たちに解説下さいます。山崎道場に通うようになり、柔道のおもしろさを再発見して、私の柔道熱はますます高まりました。
これから柔道に関し、できるだけ幅広く色々な話題をご提供していけたらと考えております。
ただし、私自身、柔道が心底好きだというだけで、乱文、並びに不適切な表現もあるかもしれません。その辺はどうぞご容赦下さい。また、遠慮無くご批判等コメント頂けましたら幸甚です。
どうか宜しくお願い致します。

さて、1回目の今日は、先日NHKで放送された柔道の創始者、嘉納治五郎師範の言葉を紹介します。

皆さん、今世界で競技人口の多いスポーツって何だと思いますか?
答えは、1位バスケットボール、2位サッカー、そして3位が柔道だそうです(全種目中3位とは知りませんでした)。現在199の国と地域が国際柔道連盟に加盟しています。
この柔道を創り、発展に尽くされたのが嘉納師範です。
『最初はひ弱なインテリだった』がタイトルになっているように、今の東京大学に入った頃の嘉納師範は、東大の中でも成績は優秀でしたが、ひ弱でいじめにあっていたそうです。
強くなりたいと柔術を習い始めましたが、当時の柔術はいきなり乱取り(自由練習)をするだけで技も教えてくれない(習うものでは無く、投げられて覚えるものという)非合理的なものでした。
なにくそっと懸命に修行に励み、運動力学や他の武道も研究して、一年後には先生を投げるまでに成長しました。また、修行していくうちに精神的にも成長している自分に気付き、これは人を高める事ができると、もっと広めて行こうと決心します。そして危険な技を除き、受け身から入る事でケガ予防策も考え、技も体系だてて柔道を創りました。

また、嘉納師範は、東京高等師範学校(現筑波大学)の校長を永年勤めるなど、教育者としても知られています。
嘉納師範が強調したのは、強くなりたくて自らに言い聞かせた言葉、柔道の修行を通して自らが得た信念でした。「なにくそっ、なにくそっという気持ちを持ち続ければ、どんな時でも、どんな事でも乗り越えていけるものだ」と。

高等師範学校で嘉納師範の教え子の一人だった東急グループの創始者五島慶太氏は、著書の中でこう語っています。「最初から最後まで『なにくそっ』の一点張りで他の事は何も説かない。しかし、今でも頭に残り、一番役に立ったのは、この『なにくそっ』だった。これさえ忘れなければ、どんな困難にぶつかってもやって行けるという信念が生じた」と。

『なにくそ、今に見ていろ僕だって』そんな気持ちを持ち続けられる人は、柔道でも、勉強でも、社会に出てからも、きっと役に立ち必要とされる存在になれると思います。

嘉納師範は、「なにくそっという精神を持って、皆で共に高め合う。柔道も教育もそれを道として教え伝えて行くことが大切である」と説き続けました。
嘉納師範の教え子達は広く教育界に携わり、やがて全国の旧制中学では柔道が正課に採用されました。海外普及にも非常に注力され、現在の礎を築かれました。まだ時代は明治の後期から大正、昭和初期あたりですから、当時の時代背景を考えると、発想/行動力共にその偉大さに驚かされます。

今後柔道関連のテレビ放送がある時は事前に紹介します。
ちなみに、10月4日は国体少年女子、鈴木桂治選手特集、11日は野村忠宏選手特集等、時期によっては結構放送されています。

最後に嘉納師範の言葉を紹介します。

勝って、勝ちに傲(おご)ることなく
負けて、負けに屈することなく
安きにありて、油断することなく
危うきにありて、恐れることもなく
ただ、ただ、一筋の道を、踏んでゆけ

平成21年10月14日

【創刊号】