『柔道ニュース』美しい打込み

山崎道場で最初に感じたこと、それは3人の先生の打込みの素晴らしさでした。

子供がいつの日かあのような美しい打込みができるようになれたらなあと思ったのを鮮明に覚えています。

後世に語り継がれるような名選手、木村政彦氏、岡野功氏などは、打込みだけで1時間(受けるだけでも大変ですね)、他に木にチューブを巻き付けて千本、更に一人打込み(シャドー打込み)などを毎日欠かさなかったそうです。木村氏は、庭の木を相手に壮絶な打込みを続けて、その木が枯れてしまったというエピソードもあります。一方の岡野氏は、松本安市氏(東京五輪監督や天理大師範など)からこう評されました。「岡野は天才だ。しかし、その天才が努力を惜しまない。こちらが練習量を抑えるのに苦労するほどだ」と。やはり『練習は嘘をつかない』のですね。
木村政彦氏の教え子で『鉄人』正木照夫氏も、拓大卒業後和歌山県に赴任しましたが、練習相手に恵まれなくとも、高校生と一緒の激しいトレーニングと、打込みを繰り返す事で全日本選手権に10年連続出場し、還暦近くまで教員大会等に出場されていました。

小学生の場合、現時点でも強いに越したことは無いとは思いますが、その後伸びた選手に共通する要素は、『しっかり組み正確な技を身につけている事』であり、その原点は打込みにあると思います。

山崎道場は先生方のご指導により、小学生としての打ち込みレベルは高いと思います。しかしながら、先生方が目標とされるゴールは、果てしなく遠いのかもしれません。道場生全員が更に切磋琢磨し、一日も早く美しい打ち込みができるように頑張って欲しいと願うばかりです。

最後に柔道関連のTV情報をお伝えします。

10月24日(土)
21時30分~22時
NHK教育
「となりの子育て 『育てた人にきいてみる 柔道家・上野三姉妹の父母』」

女子柔道、上野三姉妹。長女・雅恵さん(30歳)はオリンピック2連覇、次女・順恵さん(26歳)は世界柔道で金メダル、三女・巴恵さん(19歳)は高校総体で女子柔道史上初の3連覇を達成。
この柔道界”最強の三姉妹”を育てあげた両親は、ともに柔道を指導する有段者。「常に100%を出すこと」をたたき込んだ父と、娘の相談にのり、乱取りの相手も務めた母。柔道を通して娘たちと強いきずなで結ばれた親の思いを聞く。

今から楽しみです。是非ご覧ください。

平成21年10月21日

【第2号】