皆さん、こんにちは。
早いもので8月も中旬、世間一般では『お盆休み』の時期となりました。通勤電車も目に見えて空いてきていますが、柔道界では熱い戦いが続いています。高校生は一足早く金鷲旗とインターハイが開催され、今年も次代を担うと思われる新たなヒーロー、ヒロインが誕生しました。
金鷲旗では男女共に春の優勝校が優勝、男子は小川選手(修徳)、女子は冨田選手(埼玉栄)の活躍が目立ちました。
一方、点取り試合のインターハイでは、男女共に団体戦の三冠はならず、国士舘と東大阪大敬愛が優勝しました。こちらは突出した選手と言うより総合力が勝利のポイントだったと思います。国士舘は1年生2人、2年生2人の若いチーム。しばらくは国士舘時代が続きそうな勢いを感じました。
一方個人戦では、男子66㌔級の阿部選手(兵庫・神港学園)が立ち技によるオール一本勝ちで優勝。しかも6試合のトータル試合時間が6分55秒という、驚異的な強さで圧勝しました。
同世代のトップ選手を相手に、あれだけの力の違いを見せてくれる選手は極めて稀で、柔道界にとって非常に明るいニュースだと思います。中学時代から注目されてはいましたが、予想以上の伸びを示してくれてきていると思いました。技出しの早さ、バネ、体幹の強さなどが感じられ、これからがとても楽しみです。まだ2年生ですが、今年や来年の講道舘杯が今から待ち遠しいと思いました。
女子では、63㌔級の嶺井選手(神奈川・桐蔭学園)がついに優勝、中学校3年間、高校1年とずっと全国大会の決勝で涙を飲んだ4年間の鬱憤を見事に晴らしました。
当欄では何度もご紹介させて頂いていますが、近隣の道場出身で小学生の頃から知っているだけに嬉しさもひとしおです。関東ジュニアの会場でお見掛けした際も、ほんの一瞬会話しただけでしたが、ジュニアの大会に出場していないあたりに今年に懸ける意気込みを感じました。
直接対決でライバルを下し、決勝でも春の借りを一本で返しての見事な優勝、本当におめでとうございます。今後更なる活躍を期待しつつ、これからも応援したいと思います。
他にもすばらしい選手がいましたが、今回は割愛させて頂きます。
さて、今回のテーマは『平成26年 関東中学校柔道大会』です。
8月10日(日)11日(月)、群馬県前橋市のぐんまアリーナにて開催されました。私は日曜日の個人戦の日に、会場にて観戦しました。
本大会、山﨑道場の3期生である佐々木選手が55㌔級で見事に埼玉県大会を勝ち抜き、2位の好成績で出場権を獲得しました。山﨑道場からは初の関東中学校大会出場となり、先日の山﨑選手の東京ジュニアに続いて、道場の新たな歴史の1ページを切り拓いてくれました。佐々木選手の試合は後述しますが、まず関東大会の参加資格から書いてみます。
関東中学校体育連盟に所属しているのは、以下の8都県です。
東京都
神奈川県
千葉県
茨城県
栃木県
群馬県
山梨県
埼玉県
【男子】
各都県の団体戦上位4校、個人戦上位3名が出場資格を得ます。
団体戦は5人制の点取り試合で、体重順に一番重い選手が大将、補欠と交代する際も体重順に並び、1度交代したら戻れないルールです。
【女子】
各都県の団体戦上位3校、個人戦上位2名が出場資格を得ます。
団体戦は3人制で、あとは男子と同じです。
なお、全国大会の出場資格は、各都県大会の1位に与えられるので、関東大会の結果は全国大会とは関係しません。
では、結果からご紹介します。
【男子団体戦】
優勝 国士舘(東京)
2位 足利一(栃木)
3位 文京一(東京)
3位 埼玉栄(埼玉)
優勝した国士舘の圧勝でした。国士舘はこれでこの大会6連覇です。
1回戦 5ー0
2回戦 5ー0
3回戦 5ー0
準決勝 4ー0
決 勝 4ー0
失点ゼロ、全て4ー0以上という、別次元の強さでした。今年は絶対的なエースがいなく、例年に比べやや小粒かなという印象でしたが、さすがですね。全国大会でも頑張って欲しいと思います。
【女子団体戦】
優勝 浜岳(神奈川)
2位 埼玉栄(埼玉)
3位 帝京(東京)
3位 大胡(群馬)
女子は公立の浜岳が勝ちました。嬉しい初優勝です。
1回戦 シード
2回戦 2ー1
3回戦 2ー0
準決勝 2ー1
決 勝 2ー1
こちらは男子と違い接戦を勝ち抜いての優勝でした。浜岳中は補欠を含めた体重が、44㌔、48㌔、57㌔、62㌔という小柄なチーム、外部指導者のバックアップはあるものの、公立中であり今年の選手は全員平塚市や隣の寒川町の道場出身者です。ぜひ全国大会でも頑張って欲しいと思います。
【男子個人戦】(敬称略)
〈50㌔級〉
優勝 樋口(東京・興本扇)
2位 關(千葉・大多喜)
3位 踊場(茨城・伊奈)
3位 半田(神奈川・桐蔭学園)
〈55㌔級〉
優勝 新井(神奈川・日本大学)
2位 相田(神奈川・相洋)
3位 折原(埼玉・埼玉栄)
3位 相山(茨城・岩井)
〈60㌔級〉
優勝 山本(東京・足立学園)
2位 古澤(埼玉・川口西)
3位 吉田(栃木・足利一)
3位 近藤(千葉・市川七)
〈66㌔級〉
優勝 山中(東京・文京一)
2位 狩野(群馬・みずき)
3位 谷(神奈川・茅ヶ崎一)
3位 高橋(神奈川・浜岳)
〈73㌔級〉
優勝 岡安(埼玉・加須西)
2位 須永(栃木・足利一)
3位 鳴海(神奈川・東海大相模)
3位 斎藤(東京・国士舘)
〈81㌔級〉
優勝 山科(神奈川・東海大相模)
2位 中村(山梨・竜王)
3位 園山(東京・鶴川)
3位 鈴木(埼玉・田島)
〈90㌔級〉
優勝 村田(群馬・榛東)
2位 梅野(埼玉・埼玉栄)
3位 渡辺(東京・国士舘)
3位 下川(栃木・国学院栃木)
〈90㌔超級〉
優勝 戸高(東京・八王子六)
2位 岩田(埼玉・埼玉栄)
3位 井坂(千葉・富勢)
3位 吉田(千葉・大山口)
【女子個人戦】(敬称略)
〈40㌔級〉
優勝 藤阪(東京・国分寺一)
2位 外処(群馬・邑楽)
3位 石橋(茨城・大野)
3位 明石(神奈川・春日台)
〈44㌔級〉
優勝 五十嵐(神奈川・浜岳)
2位 井田(埼玉・東松山北)
3位 洲崎(東京・藤村女子)
3位 佐藤(千葉・山武南)
〈48㌔級〉
優勝 藤城(東京・帝京)
2位 小林(東京・淑徳)
3位 山崎(茨城・神栖四)
3位 永田(神奈川・麻生)
〈52㌔級〉
優勝 富沢(埼玉・田島)
2位 明石(東京・渋谷教育渋谷)
3位 古賀(神奈川・東橘)
3位 角田(埼玉・埼玉栄)
〈57㌔級〉
優勝 渡邉(神奈川・浜岳)
2位 蓑和田(千葉・幕張本郷)
3位 石岡(神奈川・麻生)
3位 柳(茨城・水戸三)
〈63㌔級〉
優勝 朝飛(神奈川・六角橋)
2位 河内(茨城・勝田二)
3位 山上(山梨・増穂)
3位 植木(栃木・真岡)
〈70㌔級〉
優勝 長沼(茨城・岩井)
2位 朝飛(神奈川・六角橋)
3位 都(埼玉・埼玉栄)
3位 伊庭(千葉・幕張本郷)
〈70㌔超級〉
優勝 高橋(東京・帝京)
2位 佐藤(東京・東葛西)
3位 大場(栃木・足利一)
3位 吉田(千葉・葛飾)
以上のような結果でした。
入賞した選手の皆さん、おめでとうございます。ぜひ全国大会始め、これからも頑張ってください。
少しだけ、今大会の状況を振り返ってみたいと思います。
団体戦のベスト8を都県別に調べてみました。
【男子】
東京:2(国士舘、文京一)
栃木:2(足利一、国学院栃木)
神奈川:2(東海大相模、相洋)
埼玉:1(埼玉栄)
千葉:1(大山口)
【女子】
神奈川:2(浜岳、六角橋)
埼玉:2(埼玉栄、田島)
東京:1(帝京)
群馬:1(大胡)
栃木:1(足利一)
山梨:1(下吉田)
組み合わせもありますが、今年は神奈川・東京・埼玉・栃木が結果を残しました。
次に個人戦は3位までで調べてみました。
【男子】
東京:7
神奈川:7
埼玉:6
千葉:4
栃木:3
群馬:2
茨城:2
山梨:1
【女子】
神奈川:8
東京:7
茨城:5
埼玉:4
千葉:4
栃木:2
群馬:1
山梨:1
やはり、東京や神奈川が強かったですね。ちなみに、昨年からの連覇は山科選手(73㌔級、81㌔級)、高橋選手(70㌔超級)、富沢選手(52㌔級)の3名でした。高橋選手は来年3連覇がかかっています。
試合場が多く見逃した試合もたくさんありましたが、連覇した3選手や朝飛選手、戸高選手などは試合ぶりが目立ちました。また、村田選手は一試合毎に自信を付けていったようで、今日一日で得たものは大きかったのではないかと思います。
さて、お待たせしました。
佐々木選手の結果をお伝えします。
男子55㌔級に出場しました。
1回戦は千葉3位の選手でしたが、GS(ゴールデンスコア)有効優勢勝ち。
2回戦は栃木の1位選手と対戦して、大外刈(技有)で優勢勝ち。
3回戦は、優勝した神奈川の選手とあたり、払腰(技有)を取られたあと、内股で一本取られました。確かに相手の方が力が上でしたが、立派な試合ぶりだったと思います。
結果、今回見事にベスト8に入りました。
まだ2年生ですから、来年は更に上を、そして全国大会も目指して努力して欲しいし、柔道そのものに磨きをかけていって欲しいと思います。
越谷富士中では、新チームのキャプテンに就任、益々の活躍が期待されます。
この関東大会は、昭和51年に始まり、今回で第39回となります。
私は昭和53年の第3回大会も観戦しています。たまたまこの年も前橋市で開催(会場は別でした)、当時は男子しか無く、個人戦は重量級と軽量級の2階級のみで、しかも、個人戦は県予選とは関係なく団体戦出場校から出ていたかと記憶します。
女子は平成10年から開始されました。現在の個人戦は男女共8階級、36年も前の話ですから当然ですが隔世の感があります。ただ、まだ成長期の中学生ですから、減量などしていないか心配です。
選手達は、地区大会⇒県(都)大会⇒関東大会⇒全国大会まで、短期間での開催となります。全国大会は8月22日から愛媛県松山市で開催。過密スケジュールになりますが、体調管理に気をつけて中学時代の集大成として頑張って欲しいですね。
平成26年8月13日
【第136号】