『柔道ニュース』 くやしかったら強くなれ 2008 キーワード

みなさん、こんにちは。

『くやしかったら強くなれ』如何でしたか?
小生が、過去分も全部見たい!と思った気持ちはご理解頂けましたでしょうか。

さすがは日本一を目指す子供達だけに、記憶に残ったキーワードがたくさんありました。
今回は、昨年感動を覚えた『くやしかったら強くなれ2008』のキーワードを、小生の主観ですが列挙してみたいと思います。キーワード⇒感想となりますので、長文になりますが、お付き合い下さい。
なお、ご覧になっていない方もいらっしゃるかも知れませんので、先に概況を紹介します。
まず、この番組は柔道日本一を目指す小学生の練習や生活、家族の協力、親子の絆等を描いたドキュメンタリーです。
今回の主役は、神奈川県の現6年生(放送当時は5年生)の賀持貴道(かもちたかみち)君と古賀颯人(こがはやと)君の二人です。昨年度、激戦を勝ち抜き神奈川県代表に選ばれました。二人とも、日本を代表する柔道選手だった父を持つ二世選手です。
賀持君のお父さんは道明氏で、前回紹介したので今回は割愛します。一方、古賀君のお父さんは稔彦氏で、佐賀県出身。中学から親元を離れ、東京の講道学舎(以前出稽古でお世話になりました)にて柔道三昧の寄宿生活。吉村先生(現全日本柔道連盟強化委員長)に鍛えられ、弦巻中学⇒世田谷学園⇒日体大⇒日体大大学院⇒慈雄会等を経て、現在古賀塾塾長、環太平洋大学教授・柔道部総監督など。現役時代、主に71㌔級ながら重量級選手を次々に薙ぎ倒し『平成の三四郎』と言われました。中学・高校時代から、その強さは際立ち、小柄ながらも無差別の団体戦エースとして日本一に導く大活躍。その後もバルセロナ五輪の金メダル、全日本選手権(体重無差別)準優勝など輝かしい活躍をされた、柔道界のスーパースターの一人です。

ではキーワードを列挙します(敬称略)

(古賀颯人・賀持貴道)
練習は週5日。月曜から金曜まで毎日(日曜は試合も多数!)
⇒凄い練習量、小学生ながら柔道漬けの日々を過ごしています。

       
(子・古賀颯人)
稽古中、常に先頭を切る。声も人一倍張り上げる
⇒強くなる子供は自覚が違います!声を出す子供は強い。山崎道場でも同じ事が言えると思います。         

(父・古賀稔彦)
父から子へのメッセージ
『最後の最後まで強い気持ちを持ち続けて、最後の最後まで攻めきろう。一本勝ちして来い!』
⇒最後はやはり気持ちなんですね。
父親の言葉に対し
(子・古賀颯人)
『父さんが自分から攻めて一本取る柔道をしてた。一本取る柔道をお父さんに見せたい』
⇒すばらしい心掛け・親子の強い絆を感じます。

(子・賀持貴道)
稽古は自分で考え、欲を持って臨んでいる
⇒小学生にして、この意気込み『あっぱれ』です。   
(子・賀持貴道)
わからない事があれば、誰にでもすぐに聞く。上手く行かなければ、できるまで繰り返す。
⇒この姿勢を持ち続ければ、将来どんな職業についても、成功するでしょう。 

(子・賀持貴道)
月曜から金曜まで毎日帰宅は9時すぎ。にもかかわらず、帰宅してすぐに宿題に取り掛かる。どんなに帰りが遅くとも、欠かした事が無い努力家。
⇒偉いですねぇ。テレビやゲームに夢中になる年頃だと思いますが、目標を持った子供は違うのでしょうか?小生も立ち話をした事がありますが、礼儀正しい、しっかりした受け応えの出来る子でした。     

(子・賀持貴道)
柔道を始めた当初は、下級生にも負ける程弱く、厳しい稽古に帰りのクルマで毎日のように泣いていた。
⇒ここまでは普通の子供です。
続き~
それでも一度も辞めたいとは言わなかった。
⇒ここが違う!     

(賀持貴道お母さん)
往復2時間をお母さんが毎日送迎。
しかもビデオを毎日2時間撮影。
⇒まさに一家をあげて柔道に取り組んでいますね。すばらしいとしか言えません。       

(父・賀持道明)
お父さんは晩酌しながらビデオを毎晩チェック!
⇒これだけは小生にもやれそうです。毎晩、早く見たくて早帰りしそうです。   

(賀持貴道お母さん)
『ビデオを一度忘れた日、途中で(道明氏に)連絡したら取りに帰ってと言われ、実際取りに帰った』
⇒すばらしい!言葉がありません。聞かせたい人はいますが、言うのは止めておきます!?

       
(子・賀持貴道)
早朝トレーニングに自ら志願して参加。
⇒言う事無し!でも、睡眠不足が心配ですね。   

(浅野)
175センチ105㌔の小学生!!!
⇒凄すぎます。ちなみに、現在東海大相模中に進学しています。この先どこまで大きくなるか、強くなるか楽しみな逸材です。   

(子・古賀颯人)
肘をケガしているため、乱取り(自由練習)をしなくて良いと言われても、志願してやる。しかも二本でも良いと言われたが、三本やると言う。
⇒やはり強くなる子は志しが違います。ちなみに、山崎道場にも似たような感心な子供はいます。    

(父・賀持道明)
貴道君が先生から厳しく指導を受けている時の父の目
⇒お父さんの目をしていましたね。   

     
(賀持父子)
帰り道の会話。
『キツイよな。お父さんもそうだったよ。大学の時、コンノ先輩という、岩のように、山のように強い人がいて、何をやっても動かなかったよ。でも何とかして、膝くらいつかせてやろうとか、それができたら、今度は投げてやろうとか、少しずつ、少しずつなんだよ』
⇒ナイスフォロー!子供の教育って難しいですよね。こういう言葉を、肝心な時にかけられる父親になりたいと思いました。    
続き~       
(夜9時頃帰宅にもかかわらず)晩ごはんも食べずに負けた試合の録画を見て、研究をする。
(父・賀持道明)
『見ていて悔しくならないか。パパがくやしくなってきた。こういうの、くやしいのを見ると「もう1回やってやろう」って気が湧いてこない?』
⇒父親の気持ちを伝え、子供の前向きな考えを導く、心に訴える教育方針、こうして親子の絆が強まり、この積み重ねが、やがて強い子供に成長するのでしょう。   

(北田典子→子・古賀颯人)
『挑戦する気持ちがあるかどうかだ。気持ち、気持ちが大事。「技術」じゃないの。「気持ち」が前に出るかなの。「何くそ」って』
⇒やはり『何くそ』精神ですね。納得です。
続き~
『あなたのお父さんは何で強くなったかわかる?
気持ちの部分で絶対負けなかった。相手が大男だろうが何だろうが。それがあれば強くなる』
⇒小生は古賀稔彦氏を中学生時代から見ていますが、確かにもの凄く闘志溢れる選手でした。今でも中谷選手(当時荒井中⇒天理高⇒天理大⇒新日鐵)や多田隈選手(当時東海大相模高⇒東海大⇒福岡県警)との激闘は強く記憶に残っています。
(ちなみに、北田氏は、女子柔道が競技となった頃の草分けで、ソウル五輪銅メダル等活躍されました。講道学舎創始者横地治男氏の孫で、現在理事長の持田治也氏の妹です。さらに講道館夏季講習会で講師をされた北田晃三氏<松前柔道塾>の奥様でもあります)。

世界に出た選手は皆、投げられる恐さ、そして投げる事が出来ない悔しさと闘ってきた。
⇒わかる気がします。   

(賀持父子)
試合前、お風呂の中での会話
子『超緊張している』
父『何故緊張するかわかる?真剣に取り組んでいるからだよ』
子『超真剣…』
父『真剣にやっているから緊張する。だから緊張したぶん、勝った時に喜びがあるんだよ』
⇒愚息とこんな会話ができる日を、夢みています。

(古賀稔彦⇒全国制覇した神奈川県チームのメンバーに)
更に強くなる方法は、『勝った後でも、どうすれば、もっと強くなれるか』考えられる人。
⇒その通りだとは思います。が、その域に達するためには、賀持貴道君・古賀颯人君のような並外れた努力に加え、長い年月一家をあげて支える家族の献身的協力あってこそのものです。放送では、ほんの僅かな過程だけでしたが、一家で子供の目標に向かって挑戦していく姿を見て、レベルは全く違えど同じ柔道修行する子供を持つ親として、本来の家族の在るべき姿・父親、母親の役割・子供への教育・子から親への尊敬の眼差し、そんな美しい姿を少年柔道を通じて感じ得た番組であったと思います。皆さんは、どう思われたでしょうか?

平成21年12月15日
【第11号】