『柔道ニュース』 組み手の重要性

みなさん、こんにちは。
12月にはグランドスラム東京という、オリンピックや世界選手権に次ぐ格付けにランクされる、大きな大会が東京で開催されます。日本選手に頑張って欲しいのはもちろんですが、是非素晴らしい技、内容のある試合が見たいですね。その選考会的な意味もあった講道館杯では、女子は比較的順当に第一シード、第二シードで決勝を争っていましたが、男子は波乱続きでした。柔道は番狂わせが少ない競技と言われています。ドクターストップをおして出場した平岡選手のようにケガ等の影響もあろうかとは思いますが、圧倒的な力を持った選手が少ないというのも否めない事実かと思います。
グランドスラム東京では、是非気迫のこもった熱戦で、子供達に夢と感動を与えられるような試合を期待したいですね。

前置きが長くなりました。本題に入ります。
今日は、『組み手の重要性』について書いてみたいと思います。
小生も少年時代、いかに相手に組み勝つかは、常に気をつけていたと思います。組み勝つ事で有利に試合を進められる事は解っていたからです。しかし、思い返してみますと、特別組み手を教えられた記憶はありません。体が大きい方だったので、ただ力任せに奥衿を持って引き付けるような事をしていたと思います。
ところが、山崎道場に通い始めて驚きました。理にかなった組み手を丁寧に教えてくれます。それも一流大学やナショナル・チームでも、多分ここまでだろうという高等技術です。

今年3月、日本武道館で高校選手権(団体)の準々決勝以降を見ましたが、組み手は思ったほど厳しくありませんでした。一流の高校生達でも(少なくともトップレベル同志相手には)しっかり身についている人が少ないような貴重な事を教えて貰える子供達は幸せだと思いました。

また、先生が解説される技の一つ一つも同様です。小生にとっては、目からウロコ…と言いますか、自分が少年時代に夢中になっていたのは、おそらく『柔道のような物』だったのだと思いました。
弟と何度も話した事があります。小・中学生時代、このような環境で柔道修行したかったと…。
山崎道場のように、高度な技術を小学生でも理解出来るように、指導して下さる道場は極めて稀ではないかと思います。何でもそうですが、自分で理解していることと、相手に上手に説明出来ることは別物です。おそらく山崎先生のような方は、日本でも屈指の存在ではないかと思います。
山崎道場では、子供達に【柔道ノート】を書くように指導しています。頻繁に新しい技を解説して下さいますので、その日に習った事は、しっかり【柔道ノート】に書いて、復習する意味と、自分の言葉で書く事によって、『考える』という大切な行為が生まれます。柔道は反復練習が大切です。そのためにも、後々読み返した時、色々な事を思い出すはずです。この習慣は非常に良い事だと思います。
しかしながら、これも本人のやる気が必要です。毎回しっかり書いている子供も多いと思いますが、愚息のようにおさぼり常習者もおります。そこで、最近練習に行く車中で前回記述した目標設定に加えて、ワンポイント・アドバイスを始めました。
まず組み手から、右手・左手それぞれどう組むかを毎回、子供に説明させてから、実際にポーズを取らせて、アドバイスしました。もちろんこれまで教えて頂いた蓄積があればこそですが、ようやくここ最近、相四つの相手には組み方を覚えてきたかなと思います。敢えて強調しておきたい事は、組み手が上達すると、攻撃だけでなく防御も強化されるという事です。
脇が甘いという弱点が矯正されるため、これまで投げられていた相手の技をこらえられるようになり、それが自分でも解ってきたのでしょう。最近ほんの少しですが、これまでよりやる気が出てきたように思います。
実は、この事が今日『組み手』をテーマに取り上げ、みなさんにご紹介した理由です。是非組み手を練習して、これまで以上に柔道に興味を持ってくれる子供が増える事を願っています。

先日、自分から教えを請う愚息の姿を見ました!

何という事でしょう。これは奇跡か!

 

やはり夢でした・・・!?

最後に柔道関連テレビ情報をご連絡します。

『スポーツドキュメント』

柔道 原点に戻るベテラン 内柴正人

11月28日(土)
16:55~17:15
テレビ東京

2大会連続で五輪金メダルに輝いた内柴正人選手の今を密着ドキュメント。なぜベテランは戦い続けるのか?内柴選手が描く柔道への夢とは?
内柴選手は12月11日から3夜連続で行われる「柔道グランドスラム東京」に出場します。その戦いの直前まで取材を重ね、彼の本音に迫ります。

平成21年11月25日
【第8号】