12月13日(日)、新座市総合体育館にて、第29回大沢杯争奪少年柔道大会が開催されました。
この大会は、大沢慶巳十段が大会会長をされており、当日もご出席、表彰式のプレゼンターもなさいました。
大沢十段は、1926年(昭和元年)生まれの83歳。千葉県佐倉市出身、早大専門部卒、同大教授や講道館の役職を歴任され、女子柔道の普及にも尽力された方です。現役時代、167㌢67㌔という小柄ながら、華麗な体捌きで活躍され、『今牛若丸』と言われました。ちなみに柔道の最高段位である十段は約120年の柔道の歴史の中で、15人いらっしゃるそうです。そのうち、現在ご存命の方は他に2名、醍醐敏郎氏と安部一郎氏です。
今大会は第29回と歴史もあり、今年のグランドスラム東京のメダリスト小野選手や鈴木桂治選手もかつて活躍した大会です。
雑誌『近代柔道』が協賛/掲載しており、以前から知ってはいましたが、見に行ったのは初めてでした。
試合は小学生は団体戦のみ、主催の渕辺道場以外は1団体1チーム、2・3・4・5・6年生各1名で、体重や性別関係無しの5人戦です。
参加は36チーム、県内はもとより、東京、神奈川、千葉、茨城、群馬、長野からも参加があり、ハイレベルな熱戦が随所に繰り広げられました。
敬称略で恐縮ですが、近隣では、柔志館越谷、武里、三郷、梁の各道場、地元の新座近辺はもちろん、県内からは他に、舟川、笹田、新井、荻野といった強豪チームも参加、さらに、県外からは、朝飛、小川、長澤、新宿区柔道会、明倫館杉崎、田島といった、全国的にも名の知れた強豪チーム・選手も参加していました。
結果は、5連覇中の神奈川・朝飛道場が圧倒的な強さで優勝、昨年と同じく群馬・田島道場が準優勝でした。
朝飛道場の内容は
5対0
5対0
5対0
3対0
3対0
まさに圧勝でした。
特に準々決勝までの3試合は、5試合しても5分かかっていないのではという程の内容でした。
引き分けも、まともに組み合っての引き分けは2試合だけだったように記憶します。
中でも5年生の辻君は、群を抜く強さでオール一本勝ちでした。以前から強く、全国1、2を争う5年生なので注目して見ていました。相手も県チャンピオンなど強い選手でしたが、体格を活かした体落・内股・払腰といった前技と、小外刈の前後のコンビネーションが良く、最後まで攻める柔道をしていたのが印象的でした。
ちなみに、この試合に一番手の選手が来ていましたが、羽賀先生(京都大谷高⇒天理大⇒旭化成。全日本選手権常連、高校から社会人まで95㌔級で数々の活躍。天理大で正木嘉美氏<天理大監督、全日本選手権2連覇、世界柔道選手権優勝など>と同期、今年のインターハイでオール一本勝ちで優勝した東海大相模高の羽賀選手のお父さん)が指揮をとり、朝飛先生は別の大会に選手を引率されていたそうで来場されてはいませんでした。
中学生は、男子は学年別の個人戦、女子は学年関係無しの個人戦でした。
男子3年は、今年の全中準優勝の後藤選手(神奈川・根岸)が優勝。1年には、浅野選手(神奈川・朝飛:前回紹介)、女子では、講道館杯3位で一躍有名になった山本杏選手(神奈川・朝飛)がエントリーしていたので非常に楽しみでしたが、共に欠場でした。
ちなみに朝飛道場は、現在の館長の朝飛大先生(明大中野高⇒明治大⇒神奈川県警⇒接骨院経営、慶応大師範。インターハイ重量級準優勝、学生選手権-86㌔級優勝等、ついでながらご夫婦共に腕相撲の元全日本チャンピオンの一面も)のお父様である朝飛速夫先生(神奈川県警、慶応大師範、全日本選手権4回出場など)が創設、50年の歴史ある道場で、2008年5月の大会で初の全国制覇、以降も何度か優勝している名門道場です。
ちなみに、先程の全国初優勝の時が衝撃的でした。大会は5人の団体戦で、基本5・5・6・6・6年でメンバーを組むところ、4・4・5・5・6年のチームで全国優勝したのですから!
出身選手には、生田秀和選手(桐蔭学園高⇒筑波大⇒総合警備保障、全日本選手権3位2回、出場11回)や英剛太郎選手(桐蔭学園高⇒桐蔭横浜大、金鷲旗優勝、全日本ジュニア3位など)、前述の羽賀龍之介選手(六角橋中⇒東海大相模高3年)、山本杏選手(六角橋中3年:講道館杯3位、全日本ジュニア2位など。お父さんは国士舘大卒で朝飛道場コーチ)、浅野未来選手(東海大相模中1年:全国小学生大会優勝多数)などがいます。
『くやしかったら強くなれ2008』でも一部道場が紹介されていました。
<試合結果(敬称略)>
【小学生団体戦】
優勝 朝飛道場(神奈川)
準優勝 田島道場(群馬)
3位 舟川柔道塾(埼玉)
3位 三郷少年柔道クラブ(埼玉)
準決勝
朝飛 3対0 舟川
田島 4対1 三郷
決勝
朝飛 3対0 田島
【中学生個人戦】
1年生男子
優勝 長谷川(新井)
準優勝 吉田(舟川)
3位 田島(田島)
3位 古屋敷(明大中野中)
2年生男子
優勝 荒巻(明倫館杉崎)
準優勝 中山(田島)
3位 園田(舟川)
3位 中村(毛呂山)
3年生男子
優勝 後藤(根岸)
準優勝 関根(舟川)
3位 栗林(新井)
3位 阿部(三郷)
女子の部
優勝 小針(笹田)
準優勝 石村(新井)
3位 長田(池内)
3位 奥田(田島)
※今週はテレビ中継は見つかりませんでした。
しばらく大きな大会が無いため、テレビ中継も当分少ないかと思います。
平成21年12月22日
【第12号】