柔道ニュース 『冬に鍛える』

みなさん、こんにちは。
つい先日お正月だと思ったら、もう2月ですね。
月日の経つのは本当に早いものです。
寒さもピーク。サボりたくなる気持ちも解らないではありませんが、この時期をいかに過ごすかで、新年度、特に夏までの結果が決まって来ると言っても過言ではないと思います。日々の努力を怠ること無く頑張りましょう。

さて、今日のテーマは『冬に鍛える』です。

春は、暖かさと共に、陽射しや吹く風向きも変わり、木々の緑や草花も一斉に芽生え、景色も一変する季節です。暗かった海の色は碧く輝き、荒波は凪いで、美しさを増してきます。
私も、こんな春が好きです。
でも、何もしないで突然春が訪れる訳ではありません。冬の寒さに耐え、春の準備を整えているからこそ、春に芽が出るのです。
小生が子供の頃は、庭や畑には、毎朝霜柱が出来ていました。おもしろがって、よく踏み潰して遊んだものです。
また、持ち上げてどんな構造になっているのか見たりもしました。そんな時、更に掘ってみると、地下で芽生えの準備をしている植物に出会うこともありました。また、木々の枝も、よく見ると蕾が少し出てきたり、だんだん大きくなって来るのが見て取れます。一見変化が無いように見えても、寒風に耐え、着実に成長しているのですね。

柔道も同じだと思います。
善し悪しは全く別にして、小生が子供の頃、小・中学生の柔道大会は年に数える程しか無く、それも春と秋だけだったように思います。小学生は全国大会はもちろん、県大会もありませんでした。
組み手争いなんて言葉を知ったのも中学に入ってからです。
でも、その分じっくり鍛える時間がありました。特に冬場は試合も無く、基礎体力の強化や、技を作る時間を多く取れたように思います。

今の子供達は、小生の頃には考えられない程、非常に組み手や組み際に厳しく、低学年でも試合が上手な選手が多いと感じます。しかし、スケールが大きく、将来性を強く感じる選手は、意外と少ないという印象も否めないと思います。
目先の勝負も大事ではありますが、日本柔道の将来を考えると、スケールの大きな選手がたくさん出て来てくれる事を期待したいですね。

相撲界には、『三年先の稽古』という言葉があります。今やっている稽古は、すぐに結果がついてくる訳ではないという事と、将来を見据えて稽古に取り組む事の重要性を語った言葉です。
柔道も同じだと思います。

『冬に鍛えて春の訪れを待つ』

それは、私の人生哲学でもあります。

平成22年2月1日
【第18号】