柔道ニュース 『良きライバルを持とう』

みなさん、こんにちは。
お蔭さまで、この柔道ニュースも20回目を迎える事が出来ました。
これも偏にみなさんのご支援の賜物と感謝しております。

さて、今日のテーマは『良きライバルを持とう』です。
柔道に限らず、成長して行く過程で、ライバルの存在は、非常に大きな要素ですし、同じ目標に向かって、お互い切磋琢磨し合えるのは、とても幸せな事だと思います。現役時代は、顔を合わせるのも嫌な存在だとしても、引退後あの頃○○がいたからこそ、辛く苦しい稽古にも耐えられたとか、その結果、今の自分があるのも○○のお陰と言ったライバルに対する感謝の言葉を耳にする事も多いと思います。
柔道界にも様々なライバル関係と言われた人達がいました。
小生の主観ですが、古くは(といっても、あまり古い事は解りません。また、伝説のように父から聞いた話もあります。なお、恐縮ながら順不同で敬称は略させて頂きます)、【木村・松本】【木村・石川】【松本・吉松】【吉松・醍醐】【夏井・曾根】【神永・猪熊】【松阪・岡野】【高木・上口・二宮・上村・遠藤】【遠藤・山下】【吉岡・松井・山下】【山下・斎藤】【斎藤・正木】【小川・金野】【篠原・井上】【井上・鈴木】【鈴木・棟田】などです。
もちろん、【野村・徳野・内柴・江種(注:今は階級が別れています)】とか、女子の【田村・北田】、【谷本・上野】、【中村・西田】といった各階級毎に歴代ライバルもいます。

次元の全く違う話ですが、小生にもライバルはいました。小生の拙い経験からも、道場の子供達も、是非ともライバルを作る事をお奨めします。
愚息にもこんな話があります。ある試合で他の道場の選手に一本負けしました。その時は、次は必ず勝てるように頑張ろうと話しました。但しそのためには日ごろの練習で必死に努力する事だと。練習に身が入っていない日など、こんな事ではまたあの子に負けるぞとハッパをかけました。
2度目の対戦の時、当時としては頑張りましたが、有効で優勢負けでした。その時、聞きました。「悔しいか?」→『悔しい』。「次は勝ちたいか?」→『勝ちたい』。「解った。ならばもっと真剣に練習しなさい。頑張れるか?」→『頑張る』。
こんな会話をしました。
愚息もほんの少し目が覚めたのか、道場での練習には若干ながら気持ちが入って来たように感じました。
幸い、約1ヶ月後に3度目の対戦がありました。直前にアドバイスを4つしました。
①試合に集中して全力を出す事。
②すぐにしっかり二本組む事。
③右手の組み手、特に握り方に気をつけて、脇を締める事。
④返されても良いから、思いきり先に技を仕掛ける事。
どれも特別な事ではありません。その相手に限らず一般的な話です。でも、一つ一つに何故そうするのが良いかの説明もして、これを守ってやれば、絶対に勝てると言い聞かせました。
結果、優勢勝ち(有効)しました。本人は試合場を出てから相当嬉しそうに小生のところに駆け寄ってきました。祝福もしましたが、良かった点、反省点も指摘して、大事なのはこれからだと強調しました。更に努力していかなければ次は勝てない。相手は今回負けたために、今まで以上に頑張って稽古して来るからねと。
その後一年近く経ちました。次の対戦はまだありませんが、楽しみにしています。
とはいえ、技術的には粗だらけですし、あくまで基本に忠実にと教えても、なかなか出来ず、崩しも作りも無く技に入るため、力が相手に伝わらないところから脱却出来ていません。
今は、何とかこの点を克服するすべは無いものか、試行錯誤しています。

目標を持つ事の大切さは、これまでも何度か述べてきました。目標に向かって努力する過程において、重要な要素の一つとしてライバルの存在があると思います。折れそうな気持ちを奮い立たせる大きな一助である事は間違いないと思うからです。

平成22年2月18日
【第20号】