みなさん、こんにちは。
梅雨明けと共に猛暑が続いています。暑いとエアコンをかけっぱなしで寝てしまったり、冷たい物のとりすぎでお腹をこわしたりと、体調を崩しがちです。くれぐれもご注意下さい。
さて、今回のテーマは柔道家の著書③です。
『ピリオド』 井上康生著 幻冬舎
鈴木桂治氏、野村忠宏氏に続き、第3回目は井上康生氏です。
シドニー五輪(00年)の大舞台で圧倒的な強さを世界に示し金メダル、その他全日本3連覇(01年~03年)、世界選手権3連覇(99年バーミンガム、01年ミュンヘン、03年大阪)。輝かしい実績を残し引退。内股・大外刈・背負投など『跳ねる』・『刈る』・『担ぐ』全てに秀でたキレ味鋭い技で一世を風靡した柔道界のスーパースターの一人です。
特にその柔道スタイルがファンの心を魅了したのでしょう。どの試合場でも、最も人気のある柔道選手だったと思います。
全日本決勝で鈴木選手を投げた内股、同じく全日本で高山選手を投げた大外刈り、ジュニア時代に上口選手を投げた背負投、更に高校時代の抜き勝負の団体戦(春の全国高校選手権)決勝で、世田谷学園相手に大将で三人抜きして優勝など、思い出深いシーンは数々あります。
そんな井上康生氏自身が、子供の頃から引退までを綴ったものが本書です。
恩師である東海大学の佐藤先生が、『眠らないウサギ』と評したように、類い稀な素質を持ちながら努力を怠らない、柔道選手の鏡のような存在だったようです。眠らないウサギがいたら鬼に金棒であり、柔道界では井上氏だという事をうたっています。
何人もの世界チャンピオンを育てた佐藤氏の言葉だけに、井上氏の偉大さをご理解頂けるかと思います。
井上氏は宮崎県生まれ。お父さんは宮崎県警、次兄の智和さんも明治大⇒新日鐵⇒警視庁という柔道一家です。幼稚園から柔道を始め、半年ちょっとで宮崎県大会で優勝して地方新聞に紹介されるなど、まさに『栴檀は双葉より芳し』。本書でも、同じ年頃の子には負ける気がしなかったと綴っています。
小学生時代も、全国小学生学年別大会(現在も存在、5・6年生が対象の大会)で、2連覇。当時から怪童としてマスコミに取り上げられました。ただ、ここまでなら、過去にも怪童と騒がれた選手がいなかった訳ではありません。でも、その後3大タイトルまで順調に伸びた選手は稀で、山下泰裕氏など数名ではないかと思います。
本書では、そのように成長できた背景の一端と思われる、ご家族の様子や様々な出来事、厳しい鍛錬などが書かれています。
興味のあるかたは、是非ご一読ください。
【柔道関連テレビ情報】
『金鷲旗』
高校柔道3大タイトルのひとつである金鷲旗大会が今週福岡県で開催されます。
「テレビ西日本」では放送されますが、系列のフジテレビではまだ放送予定は無いようです。
大会終了後日を改めて放送の可能性もありますので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
また、小生にお問い合わせくだれば、かなりマメにチェックしてますのでその時点の情報をお知らせします。
平成22年7月20日
【第34号】