柔道ニュース 『グランドスラム東京』

みなさん、こんにちは。

12月も半ばとなり、寒さと共に街のイルミネーションも綺麗な季節になりました。今年も残り僅か。日にもよりますが寒くなりましたね。

 

先日、大学ラグビーの早明戦をテレビで見ました。

試合開始早々、明大のチャンスとなり、早大のゴール前で、双方が力を尽くした見応えある攻防が繰り広げられました。あと一歩で明大のトライ・チャンスでしたが、早大が何とか凌ぎきり、その後、逆に得意のバックス攻撃で得点を重ねて早大が勝ちました。

でも、もし最初の攻防で明大がトライをあげていたら、試合展開も大きく変わっていたかもしれません。

実は、この試合の前まで、早大が対抗戦で優勝するには、これまで全勝の明大相手に、厳しい条件(詳細は割愛します)をクリアーして勝たなければならず、今年は(早大の優勝は)厳しいのではないかと見ていました。しかしながら、見事にトライを重ね、大逆転優勝を成し遂げました。

私は、ここでも最後まで諦めない事の重要性を学んだ気がしました。

 

 

さて、今日のテーマは、先日行われた『グランドスラム東京』です。

 

グランドスラム東京は3日間開催されましたが、私は1日しか都合がつかず、2日目の日曜日に観戦しました。

この日は、男子3階級(90㌔級、81㌔級、73㌔級)、女子2階級(63㌔級、57㌔級)が行われました。

朝9時半試合開始、3時過ぎに準々決勝まで終わり、2時間近い休憩の後、準決勝は5時開始、全ての試合が終了したのは8時頃でした。

 

今回も、結果はテレビや新聞にて報道されていますので、私なりに感じた事を書いてみます。

 

①審判基準(1)

試合を見ていて、これまでと変わったと感じた箇所がありましたのであげて見たいと思います。

まずは『指導』についてです。

一定時間攻めが無い場合に与えられる『指導』を、今回はあまり取っていない印象を受けました。

今までなら、ここで指導が来るだろうと思われる箇所で、反則を取らずに続行するという場面が何度もあったように感じました。

 

④審判基準(2)

二つ目は寝技の攻防時間です。

計った訳じゃないので感覚的な物でしかありませんが、これまでより寝技の時間を長く取っていたように感じました。

常々寝技の待てが早過ぎると感じていたので、良い傾向ではないかと思いながら見ていました。

 

以上ふたつとも向かっている方向は悪いとは思いませんが、いずれにしても、判定の基準が一定でないと選手は戸惑います。今後の動向に注目していきたいと思います。

 

③試合内容

闘志あふれる試合とか、手に汗握る熱戦とかが、残念ながら少なかったかなと思いました。

私が見た中では、谷本育実選手と優勝したフランスの選手との試合が、負けはしたもののこちらにも一生懸命さが伝わってくる、印象深い試合だったと感じました。

 

④日本選手の活躍

男子5階級、女子4階級で金メダルを獲得しました。日本選手の活躍はうれしいですが、穴井選手や松本選手、福見選手のような第一人者の優勝もあった一方、2番手以降の選手の活躍も目立ちました。

若手やベテランの奮起があったのも事実かと思いますが、絶対的な王者が少ないとも言えるのかもしれません。

 

⑤選考基準の変化

五輪への選考基準が変わり、たくさんの試合に出る事が実質的に義務付けられています。

これだけ試合が頻繁に続くと、いつも減量と調整を強いられ、追い込む練習が出来なくなるし、特にベテランには厳しい時代になったと感じます。

このままでは、選手寿命が短くなってしまうと同時に、ダイナミックな技の応酬が減ってしまい、柔道の衰退につながりはしないかと心配です。

 

⑥礼

世界選手権の時も書きましたが、礼がかなりいい加減な印象を受けました。

背筋を伸ばし、指がきちんと伸びた姿勢で礼ができている選手は、残念ながらほとんどいなかったのではないかと思いました。中には、きちんと静止すらせず、歩いている途中で手をブラブラさせたまま礼をしている選手も見受けました。また、審判も特に注意していません。

やはり、きちんとした礼をして、子供達の模範となって欲しいと感じました。

 

⑦試合場

試合場は8メートル四方。国際規定の畳は縦2メートル横1メートルと、日本の畳よりやや大きいとは言え、やはり32枚分は狭く感じました。

でも、これは規定で決められた事ですから、そのうち目も慣れて来ると思います。

 

⑧会場

客席は片面のみで、反対側は開放されていませんでした。

3階席から観るのは厳しいので、反対側の2階席も観客席にして欲しいと感じました。

 

 

最後になりますが、朝から晩まで試合があったという事は、選手も大変でしょうが、大会関係の方々も、早朝の計量はじめ相当に大変だっただろうと拝察します。

こうした人達の努力に支えられて、大会が運営できるんだと、改めて感謝したいですね。

 

 

平成22年12月18日

【第58号】