柔道ニュース 『卒業③ あみ』

みなさん、こんにちは。

急に暖かくなってきましたね。今日、小さな川沿いの桜並木を通りました。

まだ満開で、天気も良くてとても綺麗でした。

山の桜も風情がありますが、川沿いの桜もまた佳いものです。

 

『願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ』

 

これは西行法師の歌ですが、ふと思い出してしみじみと歩きました。震災・原発・不況と明るいニュースが無い今日この頃、たまにはこんな日も良いものです。

 

途中、新入生らしき中学生とすれ違いました。

少し大きめの真新しい学生服に、まだあどけなさの残る顔。やはり桜にはそんな姿が似合います。

 

 

さて、今回は卒業生特集の3回目、『あみ』です(他の卒業生同様、敬称を略させて頂きます)。

 

あみは、一期生の中でも道場開設当初からのメンバーで、平成15年9月、幼稚園年中組で入門しました。山崎先生のご息女として、先生も他の門下生以上に厳しく接していらっしゃいました。

おそらく、当人にしかわからない苦労もあったと思います。そのような状況下、8年近くも努力を続けてきたのですから、自ずと肉体的にも精神的にも鍛えられています。

 

あみを見て感じる事は、基礎がしっかりしているという事です。

柔道に限らず、スポーツの基本は足腰が重要ですが、あみは、70㌔位の大人をおぶって走れるほど強い足腰をしています。アスリートのご両親から受け継いだ才能もあるかもしれませんが、やはり日頃トレーニングをしっかりやっている成果だと思います。足腰の強さは内股にも出ています。あみの内股は、脚がきれいに高く上がります。『ケンケン内股』の場合も、片足で立つ状態が続くため、足腰の強さとバランスの良さが要求されますが、あみは両方を兼ね備えていると思います。とは言え、先生の目指す技のレベルは、もっと高いところにあるため、叱咤激励の日々です。

 

あみが4年生の頃、お母様に伺った事があります。単身赴任の先生から電話が入ると、『今日はちゃんとトレーニングをやったか』と聞かれるとの事でした。

小学生がトレーニングを毎日続けるのは、簡単なようで現実は難しい事です。家族の協力、平日は特にお母様の支援や柔道に対する理解、ご家族の固い絆が大切だと思います。

 

試合においても、様々な大会で活躍しました。

越谷市民大会優勝、南埼玉郡市大会2位、埼玉県学年別大会ベスト8を始め、たくさんの賞状やメダルを獲得しています。先輩がいないため稽古相手も充分とは言えない、また練習時間も多いとは言えない環境で成し遂げた勲章の数々、本当に立派であり讃えたいと思います。

 

あみは、淑徳中学に進学し、柔道部に入りました。ご存知の人も多いと思いますが、高校は現在日本一の強豪校です。そして中学も強化に力を入れています。先日世界選手権代表に決まった西田優香選手など多数の卒業生もいます。

あみは、基礎体力と巧さは持っているし、寝技も基礎が出来ていて上手です。もちろん全国制覇しようというチームの目指すレベルは高い所にありますが、伸びシロは大きいと思います。

また、中学生になると、体重区分も一気に増えます。軽・中量級選手の活躍の機会が増えるので、楽しみです。

以前に書きましたが、最近、中・高一貫校や、中・高・大一貫校が増えています。環境や設備、指導陣が揃い、中長期的視野に立った育成ができて、選手も安心して柔道に打ち込めます。こうした環境を活かして、是非頑張って欲しいと思います。

 

あみへ

これまで良く頑張ったね。名門校の練習は大変だと思うけど、頑張ってね。続ける事で必ず強くなると思う。

あみの今後益々の活躍を期待しています。

 

平成23年4月14日

【第69号】