柔道ニュース 『平成23年金鷲旗』

みなさん、こんにちは。

 

世界水泳、寺川綾選手の初のメダル、感動しました。

競泳で16歳(近大付属高2年)で世界デビューしてから、10年もトップ選手で居続ける事だけで物凄い事だと思いますが、競泳選手としてはベテランとなった今回、世界選手権・五輪で初めて取れたメダルです。

惜しみない拍手を贈りたいと思います。

 

さて、今回のテーマは前々回に続いて金鷲旗です。

みなさん、テレビ放送はご覧になりましたか?

 

まず女子ですが、優勝候補と目された淑徳(東京)が準決勝で敬愛(福岡)に敗れました。

敬愛は昨年の春の選手権優勝校でもあり、金鷲旗の優勝経験もある強豪です。地元ですから、発奮材料もあります。

しかしながら、昨年の勢いからすれば、淑徳有利は否めないと思いました。

実は直前に監督インタビューを読みましたら、ポイントゲッターである橋本選手は体調が悪くて2ケ月ほど練習が出来なかったそうです。試合には途中から出場しましたが、やはり本調子ではなかったのだと思います。もう一人のエース・大将の田代選手は準決勝で始めて登場しました。相手は78キロ超級の福岡県チャンピオンで、勝ち抜けず敗退しました。

大会に照準を合わせ状態をピークに調整する難しさを改めて感じました。

 

優勝した阿蘇(熊本)は念願の初優勝でした。

今年の世界選手権代表の緒方選手(現筑波大)を擁した時もなし得なかった金鷲旗優勝です。喜びも計り知れないものと拝察します。

松岡監督は、東海大からフジ&トライオーシャンを経て阿蘇高を率いて8年。

直前インタビューを読んでも、今年は自信が伺えました。

それだけの練習を積んできたという事でしょう。

①徹底的に走り込みをして基礎体力や下半身強化。

②豊富な練習量。練習は毎日。

③寝技。監督の寝技を鍛え上げたとのコメント通り、決勝戦でも寝技に力を入れていることが伺えました。

きっと、こうした努力に支えられ、『これだけやってきたのだから負ける筈がない』という自信を持っていたのではないでしょうか。

 

決勝戦では活躍出来ませんでしたが、今年の1年生には、佐俣選手(神奈川・浜岳中)という好選手が入学。準決勝までは活躍していました。中学時代も横須賀から平塚まで毎日通っていたガッツを感じる選手です。敬愛に入学した芳田選手(神奈川・相原中)もそうですが、神奈川の中学から九州の高校に入学するのは勇気がいることだと思います。見方を変えれば、両校の監督がそれだけすごい熱意をもって勧誘しているということだと思います。

準優勝の敬愛も、1年生3人のチームながら決勝進出は立派です。大将の岡選手も積極的な試合運びで好感が持てました。今後益々強くなっていくと思います。

 

一方男子は、優勝候補の国士舘(東京)が優勝しました。

決勝の相手は、修徳(東京)を破った東海大相模(神奈川)でした。

 

決勝のキーポイントは、五十嵐選手と蓮池選手の試合だったと思います。

この2人は半年前の若潮杯で対戦して蓮池選手が一本勝ちしています。五十嵐選手は1人抜いて2人目、しかもケガで試合から遠ざかっていました。東海大相模にしたら、ここで更に抜かれるシナリオは描いていなかったのではないでしょうか。

一本決まった時の蓮池選手には無念さが溢れていました。

五十嵐選手は次の副将とも引き分ける活躍でした。元々ユース・オリンピックの金メダリストでもあり、栃木・芝崎道場から国士舘中⇒国士舘高。昨年も遠藤選手、小川選手と共にレギュラーでした。

これで国士舘は昨年に続いて2連覇を達成しました。

敗れた東海大相模は、去年からのレギュラー富沢選手(埼玉・新井道場⇒田島中;若潮杯では国士舘のポイントゲッター小川選手に勝利)が出場できなかったのも響いたと思います。収穫としては、エース倉橋選手が、182120㌔という大きな体ながら運動神経の良さを感じさせる動きが印象的でした。燕返しや体さばき、決まったと思っても最後に体をひねってポイントを回避してしまう等、重量級選手では非凡なバランスの良さで昨年よりかなり成長していることが伺えました。

 

間もなくインターハイが開催されます(8/98/13 於秋田県立武道館)。

インターハイはルールが違うため(抜き勝負ではない。代表戦は大将に限らず誰が出ても良い。特に女子は3人制)、また違った展開になるかと思います。

 

8月は世界選手権はじめ、小・中・高校の全国大会が開催されます(中学は関東大会も)。今から非常に楽しみにしています。正々堂々熱い闘いを期待したいですね。

 

平成23年8月4日

【第83号】