柔道ニュース 『結果を出す事の難しさ』

みなさん、こんにちは。

6月も半ばを過ぎました。でも、まだあまり梅雨らしい天気は少ないように感じます。

先日群馬県で突風やヒョウが降って屋根が飛ばされる等の被害が出ました。ゲリラ豪雨もそうですが、日本列島全体が昔とは少し気候が変わってきているように感じます。

もうしばらくすると暑い夏がやってきます。夏バテ防止のためにも柔道上達のためにも、睡眠をしっかり取るようにしましょう。くれぐれもゲームに熱中して日々寝不足なんてことになりませんよう気を付けてください。

 

さて、今日のテーマは『結果を出す事の難しさ』としました。

スポーツ全般において、あるいはスポーツ以外でも優勝候補筆頭と言われる人が順当に勝つのは、至難の業かと思います。

周囲から徹底的に研究されますし、自身が受けるプレッシャーも大事な試合であればあるほど、想像以上に大きいものがあるでしょう。

柔道は他のスポーツと比較しますと、力量上位者が順当に結果を出す種目だと言われています。しかしながら、1対1の対人競技ですから対戦相手にも影響されると思います。左右の組み手・体型・得意技、更には精神的要素も加わり、これらが複雑に絡みます。

こうして考えると、優勝候補が順当に結果を残す難しさがわかりますね。観戦する方からすれば、中々予想がつきにくい事も興味を深める要素でもあるのですが、選手は大変です。

全日本選手権を振り返っても、ここ何年も優勝候補筆頭と言われた人が勝っていません。

かつて9連覇という偉大な記録を作った山下選手などは、その点別格な存在なのでしょう。そつがなく、チャンスは逃さない、立ち技から寝技への移行も流れる水のようでした。海外選手にも組負ける事もなく、試合の組み立て方、状況判断力等においても稀にみる偉大な選手でした。

 

まもなく、夏の全国大会が行われ、小学生から高校生まで熱い戦いが繰り広げられます。

私が特に注目している選手の一人として、高校男子100㌔超級の太田選手(栃木・白鴎足利高3年)がいます。既に6月13日に行われた栃木県予選を優勝し、インターハイ出場が決まっています。

過去の実績として全小6年生50㌔超級優勝、全中90㌔超級優勝、更に全日本カデ優勝、世界カデも優勝し、今年の春の全国高校選手権でも無差別級で優勝しました。払腰や内股が多いですが、一本取れる足技も持っています。

これまで各々のカテゴリーで優勝している事も凄いですが、私が着目しているのは、地元を離れずに結果を残し続けているところです。栃木県の岩舟柔道会⇒足利市立第一中学校⇒白鴎足利高校。首都圏の名門校に比べたら、練習相手に恵まれているとは言えないと思います。体も超級の中では決して大きくありません。山下選手や井上(康生)選手のように、子供の頃からずっとチャンピオンでオリンピックの頂点まで登りつめた人は極めて稀です。

しかしながら、太田選手は現在その記録を追いかけている数少ない選手です。今後も注目していきたいですね。

 

平成27年6月18日

【第147号】