みなさん、こんにちは。
3月も中旬になり桜の蕾も目につき始めました。ここからしばらくの間、高校選手権、中学の近柔杯、福岡の選抜体重別、女子の全日本選手権、男子の全日本選手権、全国少年大会など、大きな大会が続きます。
昨日(3月11日)は東京都柔道選手権(兼全日本選手権東京都予選)が行われ、原沢選手がオール一本勝ちで優勝しました。昨年はオーバートレーニング症候群との報道で心配していましたが、今年に入って国際大会でも成績を残しており、今後の活躍が楽しみです。
準優勝の熊代選手は6月で30歳となるベテランですが、制野選手・名垣浦選手・西山選手・上川選手という強豪選手揃いの組合せの中、すばらしい活躍ぶりでした。
また、若手の活躍も目立ちました。大学2年生の木元選手(日本大)や太田選手(東海大)、1年生の山下選手・飯田選手(共に国士舘大)が出場権を獲得しましたが、特に木元選手は高校時代全国大会出場経験のない選手であり、6月の優勝大会で知ってはいましたが、その成長ぶりには驚かされました。
これで他地区も含めて出場選手が全て出揃いました。選手たちの本戦での活躍を期待したいですね。
さて、今回のテーマは『全国高校柔道選手権』としました。
この大会は、7月の金鷲旗や8月のインターハイと並ぶ高校の3大大会の1つで、個人戦が3月20日(火)、団体戦が21日(祝)に日本武道館にて開催されます。
既に出場校も決まり組合せも発表になっていますが、特に今年の男子の団体戦は、優勝チームの予想が難しい、とても好試合が期待されます。
そこで今回は、会場やテレビで観戦される際の参考までに、少しご紹介してみたいと思います。
まず、競技方法です。
【団体戦(男子)】
1.参加校数
まず、各都道府県から1校。ただし、北海道、東京、大阪は1校を加えて2校。更に前年度決勝戦に残った神奈川と愛知は1校プラスで合計52校が出場します。
2.主な競技方法
5人制の勝ち抜き試合。試合毎にオーダーの変更可。トーナメント戦。
外国人留学生は1チーム1人以内。
試合時間は3分(決勝のみ4分)。
優勢勝ちの判定基準は「技あり」と「僅差」以上。「僅差」とは「指導差が2」。
大将同士が引分の場合、任意の選手による代表戦。⇒金鷲旗のように必ず大将同士による代表戦ではなく、5人の中の誰が出ても良い。
代表戦の試合時間内に得点差が無い場合、ゴールデンスコアによる時間無制限の延長戦を行い、必ず勝敗を決める。
次に、有力校を簡単にですがご紹介します(敬称略)。
抜き勝負だけに、総合力と共に飛び抜けた選手がいるチームが有利です。順不同でご紹介します。
①桐蔭学園(神奈川)
昨年度3冠チームから、村尾・千野根・賀持の3人が残り、3人ともこの1年で更に逞しさを増しています。特に村尾は今年の全日本選手権にも関東地区代表となっている「超高校級」であり、どんな試合を見せてくれるか楽しみな選手です。
⇒高校2年生で全日本の予選を勝ち抜く事自体凄い事(過去10人もいない)ですが、最重量級以外で18歳未満は初だと思います。
②国士舘(東京)
大型チームで穴の無い布陣。特に1年生の斎藤は、将来性抜群の逸材と期待のエースです。
他にも、酒井・道下・藤永・安藤と層の厚さもこのチームの魅力です。
③天理(奈良)
昨年のインターハイ100キロ超級を2年生で制した中野を中心に植岡・井上と総合力の高いチームです。
中野は近畿地区予選を勝ち抜いて全日本選手権にも出場します。
④東海大相模(神奈川)
神奈川予選では桐蔭学園に1人残しで敗戦も、去年からのメンバー榎田を中心に全国大会でも上位進出が期待できるチーム。
他にも昨年度準優勝の大成(愛知)、板東と浅野はじめチーム力の高い木更津総合(千葉)、崇徳(広島)などが上位進出が期待されます。
ケガなど当日のコンディションや選手の配列、そして団体戦特有の試合の流れなど不確定要素もあり、どんな結果になるかわかりませんが、柔道ファンにとって非常に興味深い大会となる事は間違いないと思います。
また、上記紹介選手がどんな活躍を見せてくれるかもとても楽しみです。
最後は村尾と斎藤の手に汗握る大熱戦、そんなシーンを期待したいですね。
「団体戦」&「抜き勝負」は個人戦とは違う会場の雰囲気とおもしろさがあると思います。是非会場に足を運んで観戦することをお勧めします。
平成30年3月12日
【第175号】