みなさん、こんにちは。
毎日蒸し暑いですね。湿度も高く、この時期は特に疲れを感じます。日常生活でも暑いのですから、激しい稽古をすれば、尋常ではない汗の量です。集中力も低下するでしょう。小まめに水分補給をして怪我に注意して欲しいものです。そのためにもたくさん声を出しましょう。ここ1週間で2件ものあってはならない痛ましい報道を耳にしました。柔道愛好者の一人として、また同じ世代の子を持つ親として、慎んでご冥福をお祈り申し上げます。
先日柔道ニュースのアンケートをお願いしましたが、コメント欄は登録手続きが難しく、大変だと思います。
当初、小生が試した時は、割と簡単に書き込めたのですが、多分小生は柔道ニュース書き込み用に、あらかじめ権限設定されていたからだと思います。もしトライされた方がいらっしゃいましたら、お詫び申し上げます。
さて、今回のテーマは6月26日~27日に開催された『全日本学生柔道優勝大会』です。
男子は7人制(体重無差別)、女子は5人制(先鋒・次鋒57㌔以下、中堅・副将70㌔以下、大将無差別)と3人制(体重無差別)の団体戦です。
特に男子は7人制、試合毎にオーダーの組み替えが認められているため、補欠も含め12人エントリー可能です。層の厚さが求められると共に、配列の読み合いも勝敗を分ける重要な要素だと思います。力が接近しているチームになればなるほど大きな鍵となります。更に、団体戦独特の活気あふれる雰囲気や、試合の流れ・展開次第で番狂わせも多く、面白さを増幅させます。
特に今年は、優勝候補の国士舘大と東海大の力が拮抗しており、例年に増して武道館へ行きたい思いはつのりました(実際は行けませんでした)。
結果は予想通り、決勝は両校の対戦となりました。
決勝のオーダーは以下の通りです(敬称略)。
【東海大学(決勝オーダー順、学年/体重階級/出身高校)】
熊代 佑輔(4年、100㌔級、栃木・茂木高校)
海老 泰博(4年、81㌔級、富山・小杉高校)
羽賀 龍之介(1年、100㌔級、神奈川・東海大相模高校)
長島 啓太(4年、81㌔級、栃木・白鴎大足利高校)
吉田 優也(3年、90㌔級、東海大相模高校)
手塚 龍大(4年、90㌔級、千葉・東海大浦安高校)
高木 海帆(2年、100㌔級、東海大相模高校)
【国士舘大学】
岩尾 敬太(2年、100㌔級、東京・修徳高校)
百瀬 優(3年、100㌔超級、東京・国士舘高校)
辻坂 章(3年、100㌔級、国士舘高校)
上杉 亮太(2年、100㌔超級、国士舘高校)
佐藤 雄哉(1年、81㌔級、国士舘高校)
寺島 克興(3年、100㌔級、国士舘高校)
春山 友紀(2年、90㌔級、国士舘高校)
東京予選優勝(8連覇)で優勝候補筆頭と目される国士舘大と、東京予選では決勝で負けて準優勝ながら、本戦では2連覇中の東海大。特に、今年の予選では、東海大は主力の高木(世界選手権100㌔級代表)と羽賀(ルーキーながら昨年の高校No.1)が欠場しており、双方ベストメンバーが揃ったら、当日の出来とオーダー次第で全くわからないと思いました(東京予選では4-2で国士舘)。
結果は以下の通りです。
東海大学3 – 2 国士舘大学
先鋒 熊代 優勢(指導2) 岩尾○ 先鋒
次鋒 海老 引分 百瀬 次鋒
五将 ○羽賀 内股 辻坂 五将
中堅 長島 大内返し 上杉○ 中堅
三将 吉田 引分 佐藤 三将
副将 ○手塚 優勢(有効) 寺島 副将
大将 ○高木 優勢(技有) 春山 大将
オーダー的には、次鋒に100㌔超級学生チャンピオンの百瀬を据え、前でポイントを稼いでおきたい国士舘大と、大将に世界選手権100㌔級代表の高木を据え、後半勝負の東海大という構図でしょうか。
試合の流れ、勝負のポイントは、次鋒戦だったと思います。先鋒戦は、国士舘大の岩尾が指導2で優勢勝ちしてリードします。続く次鋒戦で、国士舘大ベンチは、百瀬で1点は当然期待したと思います。対する東海は81㌔級の海老。不利は覚悟したのではないでしょうか。ところが、ここでキャプテンの4年生海老が意地を見せ、引き分けます。これで流れを引き寄せたと思います。五将戦は羽賀が内股一本。1対1のタイスコアながら、内容で東海大がリードします。続く中堅戦は国士舘大の上杉が大内返しで一本取り返し、再度国士舘リード。三将戦引き分けの後、副将戦で東海大の手塚が有効優勢勝ち。2対2のタイスコアで大将戦を迎えます。大将は高木が得意の寝技(肩固)で技有、3対2で東海大が3連覇しました。負けた国士舘大にしてみたら、勝てない相手ではなかっただけに悔しい敗戦だったのではないでしょうか。戦力的に大きな開きがあって、やる前からある程度結果が見えているケースもありますが、実力的に4対6くらいなら展開次第で逆転可能なのが、団体戦の怖さであり
おもしろさではないかと思います。
女子5人制でも、山梨学院大学と東海大学で決勝を行い、2対2で大将戦となり、山梨・山部と東海・田知本の対戦となりました。田知本は学生個人体重別を1年時からずっと優勝していて、今年の世界選手権代表にも選ばれている、東海大のエースです。山部も強豪選手ですが、多くの人が東海大有利と思ったと思います。しかしながら、指導2による優勢勝ちで優勝したのは山梨学院大学でした。
百瀬選手や田知本選手の気持ちを思うと、かける言葉も見つかりません。当然ご自身の置かれている立場や期待の度合いは感じていたと思います。それだけに硬くもなり、本来の動きが出来なかったのではないかとも想像されます。しかしながら、そんな状況下でも結果を残す事を期待されている存在なのです。これをバネにして、世界に羽ばたいて欲しいと思います。
また、優勝した大学の選手の方々、おめでとうございます。益々研鑽されご活躍をお祈り申し上げます。
【柔道関連テレビ情報】
『全日本学生柔道優勝大会』
上記試合の模様を中継します。
平成22年7月18日(日)
14時~16時
BS11
『ディープピープル(対談番組)』
細川伸二氏(ロス五輪-60㌔級金メダリスト、天理大教、野村忠宏の師匠でもある)、吉田秀彦氏(バルセロナ五輪-78㌔級金メダリスト、吉田道場)、野村忠宏氏(五輪-60㌔級3連覇、ミキハウス)の3人が、柔道の奥深さを語り合います。
平成22年7月17日(土)
23時30分~23時59分(予定)
平成22年7月8日
【第33号】