柔道ニュース 『第28回 世界柔道選手権大会(事前案内②)』

みなさん、こんにちは。

前回に続き世界選手権の三日目以降を書きます。
本大会の特徴は、2つあると思います。
1つはルール改訂、いきなり帯から下への攻撃が反則になった事。これまで日本選手は、きちんと組めば一本取れるが、組ませてもらえず脚取り系の技(朽木倒し、もろ手刈など)でポイントを取られ負けるというパターンが多かったと思います。
今回のルール改訂により本来の柔道に近付き、日本には有利になったはずです。と同時に、言い訳も出来なくなり、真価が問われる大会になりました。

2つ目は、各階級の代表が2名(無差別級は4名)になった事です。これまで代表は1名でしたから、1人代表のプレッシャーもありましたし、結果を求められる為、過去の実績を重視した選考になっていたと思います。今回32名(延べ36名)の代表の中で、大学生に相当する年齢の選手が13名います。若い選手にとって門戸が開け、素晴らしい事だと思いますし、願わくは以前からそうあって欲しかったと思います。1989年のベオグラード大会で、補欠代表であった山崎先生の勇姿を見られたからです。

では前回同様に代表選手を紹介します。いつも恐縮ですが敬称は略させて頂きます。

◆11日(3日目)

【男子・73㌔級】

■ 秋本 啓之
   24才、熊本県出身、桐蔭学園高⇒筑波大⇒了徳寺学園職
   168㌢
   世界ランク5位

■ 粟野 靖浩
   21才、茨城県出身、桐蔭学園高⇒筑波大4年在学中
   168㌢
   世界ランク6位

今回の男子代表に非常に多い桐蔭⇒筑波の先輩後輩です。そして、高校時代、軽量級の小さい体にもかかわらず、無差別の団体戦でもポイントゲッターとして活躍したという共通点があります。秋本に至っては、66㌔級ながら無差別の高校チャンピオンにもなりました。その後減量苦もあり、足踏みしていた時期もありましたが、階級アップして見事復活。秋本のお父さんは世界選手権3位になった勝則氏。このクラスは、韓国がランキング1位2位を独占していますが、試合は一発勝負。是非お父さんの記録を超えて欲しいですね。

【女子・63㌔級】

■ 上野 順恵
   27才、北海道出身、旭川南高⇒三井住友海上
   163㌢
   世界ランク1位

■ 田中 美衣
   22才、滋賀県出身、京都成安高⇒仙台大⇒ぎふ柔道クラブ24
   158㌢
   世界ランク7位

上野3姉妹の次女、順恵が抜群の安定感で、出る大会はほとんど優勝しています。オリンピック2連覇の谷本が引退かと報道されている現在、世界に敵無しの感があります。かなりの確率で優勝できる存在ですが、プレッシャーに負けることなく自身の柔道を貫いて欲しいです。

【女子・57㌔級】

■ 松本 薫
   23才、石川県出身、金沢学院東高⇒帝京大⇒フォーリーフジャパン
   163㌢
   世界ランク1位

■ 宇高 菜絵
   25才、愛媛県出身、宇和島東高⇒愛媛女子短大⇒帝京大⇒コマツ
   161㌢
   世界ランク8位

この階級も日本が世界ランク1位です。女子は軽い4階級全て世界ランク1位。松本は前回大会で試合中に骨折、悔しい思いをしているだけに、今回借りを返して欲しいですね。
宇高も安定して上位に顔を出す実力派、共に期待しましょう。

◆12日(4日目)

【男子・66㌔級】

■ 海老沼 匡
   20才、栃木県出身、世田谷学園高⇒明治大3年在学中
   170㌢
   世界ランク7位

■ 森下 純平
   20才、石川県出身、鶴来高⇒筑波大2年在学中
   165㌢
   世界ランク(15位外)

モンゴルや韓国が強いですが、2人とも若く特に海老沼は講道学舎出身の意地を見せて欲しいですし、本人も金メダルを取って学舎に恩返ししたいという気持ちが強いと思います。

男子・60㌔級】

■ 平岡 拓晃
   25才、広島県出身、近大福山高⇒筑波大⇒了徳寺学園職
   160㌢
   世界ランク2位

■ 福岡 雅章
   26才、熊本県出身、鎮西高⇒東海大⇒東海大院⇒綜合警備保障
   167㌢
   世界ランク4位

前回の世界選手権2位の平岡に金メダルを期待します。現在『出れば優勝』といった絶対的な存在はいませんので、十分チャンスはあります。高校時代はインターハイ優勝、大学1年で講道館杯優勝など将来を嘱望されましたが、北京五輪での惨敗、その後ケガもあり、前回の世界選手権2位はあるものの、思うような結果を残せていません。是非これまでの鬱憤を晴らす金メダルを期待します。

【女子・52㌔級】

■ 中村 美里
   21才、東京都出身、渋谷教育学園渋谷高⇒三井住友海上
   157㌢
   世界ランク1位

■ 西田 優香
   24才、鹿児島県出身、淑徳高⇒淑徳大⇒淑徳大院⇒了徳寺学園職
   154㌢
   世界ランク4位

『出れば優勝』状態の中村が、全階級の中で1番優勝に近い存在かと思います。元々うまい選手でしたが、最近体もがっちりと大きくなり、力強さも加わって鬼に金棒といった感じです。年齢的にも今後さらに強くなると思います。このままロンドン五輪まで全勝で突き進んで欲しいです。
一方の西田もこれまで中村と勝ったり負けたりでしたが、ここに来て少し中村に水を開けられた感があります。お父さんはかつて世界選手権代表で現在山梨学院大総監督の孝宏氏、弟は山梨学院大のエースで今年旭化成に入った泰悟選手という柔道一家。試合会場で非常に弟思いの姉という面をも持っている選手だと見受けますが、今回は自分が主役、頑張って欲しいです。

【女子・48㌔級】

■ 福見 友子
   25才、茨城県出身、土浦日大高⇒筑波大⇒筑波大院⇒了徳寺学園職
   157㌢
   世界ランク1位

■ 浅見 八瑠奈
   22才、愛媛県出身、新田高⇒山梨学院大4年
   152㌢
   世界ランク5位

このクラスも優勝濃厚な階級です。というより、世界ランク上位20選手位を集めて、日本のベスト4までを入れてリーグ戦をしたら、日本人の上位独占も十分有り得るほど強い階級です。
今回は福見、浅見が出ますが他にも山岸、そして出産や議員活動で離れてる、谷もいます。
ロンドンに向けて現在のリードを更に大きくするためにも金メダルが欲しい福見、若い浅見もロンドンを手繰り寄せるためには金メダルがマスト、かつ試合内容も重要だと思います。

【男子・無差別級】

■ 立山 広喜
   24才、熊本県出身、大牟田高⇒国士舘大⇒日本中央競馬会
   193㌢、145㌔
   世界ランク(15位外)

■ 上川 大樹
   20才、山口県出身、崇徳高⇒明治大3年在学中
   185㌢、140㌔
   世界ランク(15位外)
※ 無差別級の代表は4人のため、試合前日までに以下の3人の中から2人を選出(紹介は前回したので割愛します)。
■ 高橋 和彦
■ 鈴木 桂治
■ 穴井 隆将

このクラスも、リネール(フランス)が出てくると相当強敵です。日本は4人で何とかくい止めたいですね。

【女子・無差別級】

■ 田知本 愛
   21才、富山県出身、小杉高⇒東海大4年在学中
   168㌢、110㌔
   世界ランク5位

■ 佐藤 瑠香
   18才、福岡県出身、八幡工高⇒コマツ
   170㌢、78㌔
   世界ランク8位(78㌔級)

■ 塚田 真希
   前回書いたため割愛

■ 杉本 美香
   前回書いたため割愛

78㌔超級で書きましたが、中国のトウ・ブン不在のため優勝の可能性は十分あると思います。田知本や佐藤には思い切りの良い柔道を期待したいです。

【柔道関連テレビ情報】

『世界選手権』

■9月11日(土)19:57~21:09
フジテレビ
3日目:
73㌔級
63㌔級
57㌔級

■9月12日(日)19:58~21:24
フジテレビ
4日目:
66㌔級
60㌔級
52㌔級
48㌔級

■9月13日(月)20:00~20:54
フジテレビ
最終日:
男女無差別級

平成22年9月2日
【第45号】