みなさん、こんにちは。
前回は1年&50号という事で、たくさんの方々から激励のお言葉を頂きました。大変ありがたく厚くお礼申し上げます。
さて、今日のテーマは 『柔道を始めて』 としました。
これまで、私自身が少年時代に経験した柔道が、現在まで人生のベースとして大きく存在し、また前号でも親子三代の関係にこれまた大きく関与している事を書きました。今回は、親子関係などを中心に綴ってみます。
柔道を始める前、息子は同級生と遊ぶ事が多く、一人っ子なので兄弟と遊ぶ機会もありませんでした。
一方、私は典型的な会社人間で、毎日こよみが変わらないと帰宅せず、土日も仕事や会社関連の行事で出掛ける事が多く、たまに家にいてもたまった疲労でぐったりという状態でした。
結果、親子(父子)の距離は離れる一方、そして、かなり我が儘な子供になってしまいました。
このまま歳を重ねてはいけないと思い、自分も子供の頃やっていた柔道をやらせたいと思いました。柔道なら、体力向上と共に規律、躾、上下関係も学べるし、私も多少なりともアドバイスも出来ると思ったからです。このようないきさつで、小学1年の夏休みが明けた平成19年9月、山崎道場に入門しました。その頃の山崎道場は積極的には門下生を募集してはいませんでしたが、先生は快く入門を許してくださいました。
せっかく入門させては頂きましたが、息子はというと、とても熱心と言えるものではありませんでした。
柔道は全くの初心者でしたし(皆さんそうですが)、そもそも柔道を始めた理由が自分から進んで希望した訳ではありません。また、近所の友達と一緒に習っている訳でもなければ、練習も厳しく長時間です。更に運動能力にも乏しく、『土日の練習でせっかく手取り足取り教えて頂いても、翌週には忘れてしまう』を繰り返し、子供にしてみたら苦痛な状態が続きました。何度行きたくないと駄々をこねた事でしょう。でもこれも体力や精神力を鍛えるためだと、他に特別な行事等が無い限り休まずに通わせました。当時はサッカー・塾・英語教室と習い事もたくさんしていましたので、本人は大変だったと思います。
入門してひと月ほど経った頃、息子から 『お父さんも一緒にやって欲しい』 と言ってきました。既に何人か一緒に柔道着を着て 『お父さん先生』 をされていらっしゃいました。その後も何度か言われ続け、それなら3ヶ月続けられたらと条件を出し承諾しました。そして12月から私もおよそ30年ぶりに、柔道着を着る事になりました。蛇足ですが、中学生時代の黒帯は、大幅に太ったため短くて使えませんでした…(恥)。
一緒にやり始めてからは会話も増え、些細な事ですが、状況に変化が出てきました。
一緒に歩く時、息子のほうから手を繋ぎに来るようになりました。
家で座っていると、膝の上に乗って来ます。
試合の時は、私に控えの時からずっと見ていて欲しい、大声で応援して欲しいと言ってくるようになりました。
現在(4年生)も、練習好きとはお世辞にも言えませんし、先生からご指示頂いております『柔道ノート』や『トレーニング』等も道場内最低レベルです。それでも息子なりに、何とか今日まで継続出来ました。
最近は、僅かながらも、柔道への興味が芽生えつつあるのかなと感じる場面に遭遇します。
普通の家庭に比べたら貧弱な間柄でお恥ずかしい限りですが、本当に柔道のおかげで息子との距離が縮まってきたと思います。更に嬉しい事に、通知表(先生からの通信欄)にこう書かれていました(抜粋)。
『元気いっぱい生活しています。お友達とのトラブルがとても少なくなり、我慢する事と譲る気持ちが出てきました』
『二学期に大きな変化があったのは、困った友達へ声をかけてあげられる深い優しさが見られた事です』。
日頃を観ている親としては、本当に出来ているのだろうかという心配はありますが、少しずつでも成長の跡が見られるという事は、山崎道場に、そして柔道に感謝の気持ちで一杯です。
これからも未熟な点は少しずつ改め、元気良く、明るく育って欲しいし、併せて柔道も成長してくれたらと願っています。
平成22年10月21日
【第51号】