柔道ニュース 『アジア大会、講道館杯』

みなさん、こんにちは。

アジア大会、講道館杯はご覧になりましたか?

 

まずは数々の熱戦を繰り広げられた選手の皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

みなさん色々お感じになったと思いますが、アジア大会では、ケガを負いながらも見事に金メダルを獲得した選手や、判定に涙をのんだ選手、講道館杯では野村選手の復活が注目されたり、一方では若手の台頭もありました。詳細は後半に記述させて頂きます。

アジア大会の放送内容について、少し個人的な感想を述べます。例えば最終日、BSでは平岡選手の同じ試合を2度放送するなら、田知本選手の試合を放送して欲しかったし、TBSでは、田知本選手の3位決定戦だけでなく、負けた試合も技が決まるまでの20秒位でも良いので放送して欲しがったですね。

ただし、40種目を越える競技数がある現実、放送されない競技もたくさんある事を思えば、あまり贅沢は言えないとも思っています。

さて、大会を振り返って、私なりに感じた事を綴ってみたいと思います。

 

【アジア大会】

 

①福見選手

決勝は地元中国の選手との対戦でした。互いにポイント無く、ゴールデンスコアの延長の末、旗判定となり、2対1で敗れました。

解説の野瀬先生もコメントされていましたが、テレビで見る限り、どう見ても福見選手が優勢に見えました。しかしながら、近くで各々違った角度から見ている審判の方々が判定した事ですから、非常に残念ですが受け入れるしかありません。本来あってはならない事ですが、地元開催による過剰なまでの会場の雰囲気が相当後押しされたとしか考えられない結果でした。

昔から柔道界で言われている事ですが、『判定になったらどちらに転ぶかわからない。だから、はっきりとしたポイントを取ること』であり、辛いところですが、今回の経験を今後の糧にして、世界選手権や五輪制覇を目指して欲しいと思いました。

 

②上野選手

北朝鮮選手との準決勝で目を負傷しました。『組み手争い』で指先が目に当たる事はありますし、ある程度は致し方ないとは思いますが、ビデオで見る限り、故意の動作と受け取られても仕方ないと私は感じました。例え目に入ったとしても、あれだけ腫れる程になるのはそうそうありません。更に『肘テツ』まがいの攻めもありました。

一方、ほとんど左目が見えない程腫れた状態ながらも勝って、決勝も制して優勝した上野選手は、立派だったと思います。

 

③秋本選手

途中で足を負傷しながらも優勝しました。しかも世界ランク1位で、世界選手権でも大接戦を演じた韓国選手を相手に堂々と勝利、試合態度も含め立派の一語に尽きると感じました。ケガは全治1ヶ月半の重症だったそうで、グランドスラム東京の出場は難しいかもしれません(代表に選ばれてはいます)。秋本選手の試合を見たいのはやまやまですが、しっかり治して欲しいですね。

篠原監督も、『ほんまのチャンピオンです』と絶賛されていました。

 

今回、金メダルは男子3選手(高橋、小野、秋本)、女子4選手(杉本、上野、松本、中村)の7個でした。

国別では、他に男子は韓国4(100㌔超、100㌔、81㌔、66㌔)、ウズベキスタン1(60㌔)、女子は韓国2(78㌔、70㌔)、中国2(無差別、48㌔)でした。

是非次回は男子も半数以上を取って欲しいと思います。

 

 

【講道館杯】

 

①羽賀選手

東海大1年ながら100㌔級で優勝しました。同時に親子制覇となりました。

お父さんは、昭和62年に優勝された善夫氏で、天理大⇒旭化成、現在朝飛道場で指導もされています。天理大が団体優勝した時のメンバーで、全日本の常連でもありました。

ちなみに龍之介さんのお兄さんの善之介さんも東海大相模⇒東海大です。

龍之介選手はインターハイも優勝、今年の世界ジュニアでも優勝しています。

国内では、穴井選手や高木海帆選手の次にランクされていますが、伸び盛りだけに、ロンドンやその次の五輪の有力候補だと思います。

柔道選手と言われなければわからない程、スマートな体型で、決してゴツい感じではありませんが、矢継ぎ早に繰り出す技のキレやコンビネーションの良さは、なかなか教えて出来る物ではないと感じます。今回は穴井選手も高木選手も出ていない中での優勝ですので、これから3人で切磋琢磨していって欲しいと思います。

 

②國原選手

今回は特に気合いが入っていたようで、見るからに気迫のこもった面構え(敢えてこう表現させて頂きます)をしていて、すばらしいと思いました。やはり柔道選手の顔はこうあって欲しいものです。

内容ももちろんすばらしかったと思います。

 

③山本杏選手

中村美里選手や西田選手が出場していないとはいえ、高校一年生での優勝は凄いですね。

昨年中学生の白帯で3位となり、一躍脚光を浴びましたが、有段者でないという事でグランドスラム東京には出場出来ませんでした。今年は是非大暴れして欲しいと思います。

 

他にもたくさん紹介したい話はありますが、割愛させて頂きます。

グランドスラム東京はもう間もなくです。今年もテレビ東京で3日間中継があります。ご期待下さい。

 

 

平成22年12月2日

【第57号】