柔道ニュース 『年頭にあたって』

新年明けましておめでとうございます。
昨年中は、たくさんの皆様からご愛読頂きまして有難うございました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

なかなか更新出来ず申し訳ありません。
年末年始は如何お過ごしでしたか?
おそらく多くの道場で、一番長い休みの期間だと思います。山崎道場も同様です。しっかりトレーニングをして体力強化に取り組んだ子と、残念ながらそうしなかった子とでは、確実にその後の成長に違いが現れるはずです。
道場の稽古に加え、日々わずかな時間でも良いのでトレーニングをして下さい。1日2日では効果は出ませんが、3ヶ月、半年、1年と続けていくうちに必ず目に見えて効果が出てきます。『継続は力なり』です。

さて、年末年始に色々なスポーツを見ました。勉強になった事柄を少し紹介します。
まず、年末に行われたレスリングの全日本選手権。
以前当欄でも取り上げた伊調馨選手が圧倒的な実力の違いを見せて優勝しました。聞けば、ロンドン五輪の金メダルを目指して、男子の強化合宿に毎回参加しているのだそうです。スピードとパワーに勝る男子選手と組み合ったり、一緒にトレーニングしたりする事で、自然と培われる物があると思いますし、そうした努力が自信にも繋がるはずです。

次に、1月2日・3日に行われた箱根駅伝で、驚異的な新記録で優勝した東洋大学です。1年前に新記録で優勝した早稲田大学に僅か21秒差で敗れました。その悔しさからでしょう。翌日1月4日の朝6時から練習を再開し、臥薪嘗胆の思いで1年間頑張ったそうです。
今回の結果も、『これだけ苦しい練習を積んだのだから負けるはずがない』という努力から生まれた自信ではないでしょうか。
何事も継続する事は、本当に難しいと思います。しかし、日々の努力は、いつか必ず自分に跳ね返ります。

話を戻します。レスリングの55㌔級では、五輪3連覇を狙うベテランの吉田選手と、以前当欄でも取り上げました、柔道出身の高校生・村田選手が決勝進出し優勝を争いました。結果は吉田選手が勝ちましたが、確実にその差が縮まっていると感じました。
伸び盛りの時期だけに、1年後には逆転している可能性もあるかもしれません。ロンドン五輪の代表は吉田選手に決まりましたが、次を目指して是非頑張って欲しいと思います。
日本のレスリング界にとっても、王者が元気なうちに若手が成長して、王者を脅かす存在になることが、理想的だと思います。
柔道でも女子の48㌔級や52㌔級など、非常に高レベルの代表争いを繰り広げている階級もあります。是非とも若手とベテランが切磋琢磨しあう、そのような階級が増えて欲しいものです。これは、特に男子・重量級に期待したいことです。

さらに、強く感じたことがあります。
レスリングでは、吉田選手や伊調選手など一部の選手は、昨年末にロンドン五輪の代表が決定しました。これで安心して本番に向けての調整も可能ですし、自分の調子・体調と相談しながら試合のスケジュールも組めます。
一方で、柔道は4月の選抜体重別や全日本選手権が終わった後に代表が決まります。この数ヶ月の差は、選手にとって大変大きなことではないでしょうか。柔道も8月の世界選手権・11月の講道館杯・12月のグランドスラム東京という大会を参考に、例え全員ではなくても、決定するシステム作りが出来ないものかと思います。

最後になりますが、これまで日本が夏季五輪で取った金メダルはトータル何個だと思いますか?

答えは123個だそうです。
そのうち、柔道は35個でトップ。次いで体操の28個、レスリングの24個、競泳の20個、陸上の7個と続きます。わずか5競技で占める割合は、何と92.6%です!
金メダルが全てと言うつもりはありませんが、その後の人生に多大な恩恵を得られることは事実だと思います。選手がより良いコンディションで本番に臨めるように、体制作りをしてあげて欲しいと感じます。

それでは、みなさんが今年1年ケガ無く柔道に取り組めるよう、そして充実した年が送れるよう、心より祈念申し上げます。

平成24年1月6日
【第96号】