柔道ニュース 『優秀な選手とは』

みなさん、こんにちは。
いよいよ、新年度がスタートしました。少年柔道も各地で色々な大会が開催され本格的な試合シーズン開幕です。今週末には、横浜で『ひのまるキッズ関東大会』がありますね。山崎道場からもたくさんの子供達がエントリーしています。先生の教えを守り一試合でも上に勝ち上がって欲しいと願っています。
前回書きましたが、進級した子供達は、新たな目標を立ててみましたか?
小生は子供の頃、張り切って高い目標を掲げた結果、持続出来なかった苦い思い出があります。
柔道は反復練習が大事です。中には天才肌の選手もいますが、一番大切なのは持続力だと思います。
昔、東海大学の山下泰裕先生が学生時代の事、東海大柔道部の年度別のスローガンは、『努力に勝る天才無し』、『練習は不可能を可能にする』、『闘志無き者は去れ』と言った言葉だったと記憶します。
当時、学生日本一の強豪チームでさえも、こうした言葉を目標にして日々練習に励むのですから、いかに継続が難しいかご理解頂けると思います。
少しだけ無理して背伸びしたら届きそうな目標を立ててチャレンジしてみましょう。

さて、今日のテーマは『優秀な選手とは』です。
まず、柔道を始めてからの成長過程を段階的にみてみます。
①組んだ途端、何が起こったかわからないうちに、投げられて負ける
②少しずつ相手の技に対応する事を覚え、投げられるまでの時間が長くなる
③一本負けが減り、時間一杯戦えるようになる
④引き分けられるようになる
⑤僅差でも勝てるようになる
⑥勝ち、引き分け、負けの比率が変化してくる
⑦一本勝ちできるようになる
⑧勝てる選手層が拡がり勝率が上昇していく

思いつくままに書いてみましたが、一般的にはこんな感じではないかと思います。

では、真の優秀選手とは、どんな選手を言うのでしょう。色々な指標や見方があるかと思いますが、私はこう思います。『たとえ悪条件でも、しっかり状況把握が出来て対応出来る選手』かと。調子が良い時だけでなく悪い時でも悪い時なりの柔道が出来て、結果を残せる選手という事です。
その究極の選手は、山下泰裕氏であり谷亮子氏ではないかと思います。
◆限られた時間内で、少ないチャンスを確実に活かせる。
◆そつがない。
◆良い時と悪い時の差が少ない(悪い時でも高いレベルが維持できる)。
◆試合の組み立てが上手い。
◆不利な状況でも対応力に優れ、結果的に勝利する多彩な戦術・技を持つ。
◆攻撃だけでなく防御も上手い(バランスが良い)。
◆勝ち続けても高いモチベーションを維持できる。

谷亮子氏の、『最高でも金(メダル)、最低でも金(メダル)』という言葉は、非常に端的に表現していると思います。

レベルの違いはあっても、小学生でも日頃から考える習慣を身に付け、練習に取り組めば、状況対応力は自然と身に付いていくと思います。これは社会に出てからも大変重要な事です。
今後の子供達の成長が楽しみですし、是非そうあって欲しいものです。

【柔道関連テレビ情報】

『全日本女子柔道選手権』
体重無差別で今年の女子柔道日本一を決める大会です。
塚田選手(土浦日大高⇒東海大⇒綜合警備保障)の9連覇なるか、先の体重別大会で塚田選手を敗って優勝した杉本選手(汎愛高⇒筑波大⇒コマツ)が初優勝できるか。
田知本(愛)選手(小杉高⇒東海大4年)がどこまで肉薄できるか。70㌔級の若い上野(巴)選手(旭川南高⇒三井住友海上)や田知本(遥)選手(小杉高⇒東海大2年)が大型選手相手にどんな試合をするかにも注目したいです。

4月18日(日)13時35分~14時55分
NHK総合

平成22年4月9日
【第26号】