みなさん、こんにちは。
ここ何度か卒業生について書かせて頂きました。
こんな私ですら、懐かしさと共に色々な出来事が思い出され、感慨深い物がありました。
まして先生や奥様、卒業生のご家族はいかばかりかと…。でも、なかなか言葉にするのは難しく、思うように書けませんでした。
至らない点が多々ありましたが、どうかご容赦ください。
さて、卒業生の特集も今回が最終回、キャプテンの雄太郎です(これまで同様、敬称は略させて頂きます)。
雄太郎は、あみ同様に道場開設時(年中組の9月)に入門しました。以来、幼稚園・小学校と柔道を続け、そして、中学でも柔道部に入りました。言わば、山崎道場門下生の先駆者です。
雄太郎は、キャプテンとして常に皆の先頭に立ち、牽引してきました。子供達に疲れや気の緩みが見られた時には自ら声を出し、道場の空気を引き締め稽古の質を高めました。時には、キャプテン故に皆の代表で叱られ役になったケースもあったと思います。
身体は大きくありませんが、柔道は上手ですし努力家です。立技でも寝技でもご指導頂いたテクニック習得のため、他の子供達以上に真面目に取り組んでいました。きっと、柔道ノートは毎回しっかり書き留め、練習前には読み返し、家でも反復練習をして、先生方からの教えを実践・継続してきたのだと思います。
試合でも活躍しました。学年別大会の南埼玉郡市代表(2年連続)、重量級の強豪に混じっての越谷市民大会3位、さいせつ東部地区大会3位など、様々な大会で活躍しました。
あみ同様、練習相手が少ない一期生で勝ち取った、価値ある勲章だと思います。
中学生になり、身体も体力も向上してくれば、今の技術力が必ず活きてくると思います。
更に、中学になると体重区分も細分化されるため、とても楽しみです。
また、雄太郎を語る上で欠かせないのが、ご両親の存在です。
お父様は先生として、たいへん熱心にご指導されています。30台半ばで全くの初心者から柔道を始め、山崎道場の『お父さん先生』で最初に黒帯を取得、既に弐段に昇段されています。講道館の月次試合にも参加されるなど、積極的な取り組みは、いつも敬服しています。
お母様は、暑い日も寒い日も、毎回道場にいらして、長時間とても熱心にご覧になっています。おふた方ともに、柔道に対する深いご理解に頭が下がります。この『両親ともに』という所が肝要で、どちらかだけでは、こう上手くは行きません。
見習いたいものです。
雄太郎が進学したのは、越谷市の富士中です。最近も何人か埼玉県代表として、全国中学生大会に出場した選手を輩出しており、今年も3年女子重量級に有力候補と見られる、とても強い選手がいます。
雄太郎がこうした環境でもまれ、成長していく姿がとても楽しみです。
雄太郎へ
キャプテン、お疲れ様。
長い間本当に良く頑張ったね。
中学でも頑張ってね。
お父様・お母様への感謝の気持ちを決して忘れずに。
中学でも続けてくれる雄太郎とあみには、私が大切にしている柔道ビデオを贈りたいと思います。
今から30年前、1981年にオランダ・マーストリヒトで行われた世界柔道選手権です。
この大会は、山下選手が2階級制覇した大会として有名です。全盛期の山下選手のすばらしい試合ももちろん見て欲しいですが、私が2人に一番見て欲しいのは、柏崎選手の試合です。
柏崎選手は、岩手県の久慈高校を卒業し、まだ全国制覇する前の東海大学に進学しました。当時は無名の選手で大学の寮(部屋数の関係で入寮できるのは有望選手のみ)にも入れず、下積み生活を送りました。大学卒業後も、茨城県の県立高校で教鞭をとりながら選手生活を続け、この大会時点は東海大附属工業高校に移っていましたが、決して選手として恵まれた環境ではありませんでした。それでも努力を重ね、29才にして初めて掴んだビッグタイトル、それも相手に効果も指導も取られる事無く、オール一本勝ちでの完全制覇でした。サンボ(ロシアの格闘技)など他の競技も学んで独自の工夫を重ねた寝技は、『寝技の柏崎』としてとても有名になりました。
この日の試合は、見ている人の心に響くものがあると私は思います。
是非見て下さい。
雄太郎の今後益々のご活躍を祈念しています。
【柔道関連テレビ情報】
<全日本柔道選手権>
体重無差別で今年の柔道日本一を決める、日本柔道最高峰の大会です。
今年は、例年以上に混戦が予想されています。高橋選手(昨年優勝)、穴井選手(一昨年優勝)を始め、世界選手権優勝の上川選手、立山選手(昨年2位)、ベテランの鈴木選手(過去優勝3回)、棟田選手(過去2位3回、3位2回)など、現在の力関係を見た場合、傑出した選手がいない分、誰が優勝するか予想が難しいですが、最高峰の大会らしく、内容の濃い試合を期待したいと思います。
<放送予定>
4月29日
16:00~17:30
NHK総合
平成23年4月16日
【第70号】