柔道ニュース 『レスリング世界選手権』

みなさん、こんにちは。

 

新日本製鐵と住友金属工業が昨日合併を正式発表しました。

新社名は「新日鉄住金」で新日鉄が存続会社だそうです。

ご存知のとおり新日鉄は実業団柔道の名門企業でもあり、かつては神永選手(全日本3回優勝)や篠巻選手(世界選手権、全日本優勝)、最近では吉田選手(オリンピック優勝)、高橋選手(全日本優勝)など幾多の名選手を輩出している会社です。

新日鉄が存続企業ということで、引き続き柔道に力を入れて欲しいと思いますが、柔道着から『新日本製鐵』の文字が消えてしまうのは一抹の寂しさを覚えます。

 

さて、今日のテーマは『レスリング世界選手権』としました。

今月12日から18日に、トルコ・イスタンブールにて開催されましたが、以前当欄でも少しご紹介しました伊調選手が7回目の優勝を遂げました。

それも1回戦で鼻を骨折し、3回戦で右目を負傷をしながらの優勝でした。

目の負傷と言えば、柔道でも上野選手を思い出します。アジア選手権において、目を大きく腫らしながらも見事な優勝。共に素晴らしい精神力だと感心します。

また、吉田選手は何と9連覇という偉業を為し遂げました。

これは、『霊長類最強』と謳われた伝説の名選手、ロシアのカレリン選手に並ぶ大記録です。

強さの秘訣は色々あるのでしょうが、モチベーションを維持し勝ち続ける事が、想像を絶する凄さだと思います。

柔道界では、山下氏や谷氏が匹敵すると思います。

 

吉田選手は2才年上に山本(聖子)選手がいて、中学から大学の始め頃まで、なかなか勝てませんでした。

その後初めて勝って以後、現在の成績に至っています。

きっと、ロンドンで『オリンピック3連覇』が次なる目標だと思います。

今回の世界選手権では、決勝は珍しく接戦でした。競技者生活も長いので、ケガもしているでしょうし、全選手から徹底的に研究されてもいます。しかも勝ち続ける事で、モチベーション維持も難しさを加速させているはずです。最近は、レスリングで非常に重要な握力が低下しているとの話も聞こえてきます。

このように、勝ち続けるためのハードルはどんどん高くなります。かつて、柔道の谷選手は、『最高で金(メダル)、最低でも金』と発言し実行しました。吉田選手も是非頑張って欲しいと思います。

 

ここで、吉田選手の発奮材料の一つになっているのではないかと思われる話があるので、ご紹介します。

それは、好敵手と思われる若手の台頭です。名前は村田夏南子選手と言い、現在高校3年生です。

 

この選手は、実はレスリングより柔道の経歴の方が長い選手です。

3才から故郷愛媛県で柔道を始め、全国小学生学年別大会で、重いクラスで2年連続3位になっています。今年、5年生の重いクラスで2位になった古賀選手もそうですが、決して周りと比べ大きくない体での成績だけに、立派だと思います。

中学は、親元を離れ愛知県の大成中学に通い、2年生で全国中学生大会の52㌔級で優勝しました。将来を非常に嘱望された選手だったと思います。

ところが、柔道のルール変更と吉田選手の試合を見て憧れ、中学3年でレスリング転向を決めます。

転向して1年で、全日本ジュニアを制するなど、早くも非凡な才能を開花させました。

現在は東京の安部学院高校に通いながら、レスリングの虎の穴・JOCレスリングアカデミーで英才教育を受けており、全国高校選手権で3連覇。今年のシニアの全日本選抜(世界選手権最終選考会)では、決勝まで進み、吉田選手に負けはしましたが、着実にその距離が縮まってきています。

 

柔道愛好者としては、柔道に残っていて欲しかったと思いますが、村田選手の今後の活躍にも注目してみたいと思います。

また、吉田選手もライバルの出現で、共に切磋琢磨して、更なる記録更新を目指して欲しいと思います。

 

平成23年9月23日

【第87号】