柔道ニュース 『卒業⑧・洋人』

みなさん、こんにちは。

先日、全日本カデ選手権が開催されました。
今年から出場資格が改訂され平成8年1月1日から平成10年12月31日までに生まれた人が対象となりました。従って中学3年から高校3年までいましたが、去年の全中で活躍した現高校1年の選手が、男女合わせて半分近い7階級で優勝と活躍していました。
これからが楽しみですね。

さて、卒業生特集の2人目、今回は洋人(ひろと)です。
洋人は2年生の12月に山﨑道場に入門しました。私の甥にあたります。
入門当初、同級生の中では体こそ大きかったものの、先生からは「まだ小学生の体ではない」と、ご指摘いただく状況で、事実腕立て伏せも満足に出来ませんでした。
そんな洋人に対し弟は、思い悩み3年生になってからは毎日トレーニングをするように話したそうです。しだいに朝のトレーニングも追加、また先生が道場で解説された技のビデオも定期的に復習するなど、卒業するまで続けました。
しかしながら、そうした努力もなかなか結果には結びつかず、賞状やメダルは4つ下の妹ばかりでした。これは本人はもちろん、親もきつかったと思います。
しかし洋人は、それでも黙々とトレーニングを続けました。また、母である義妹は弟の考えに従ってサポートし、練習では毎回のようにビデオを撮り静かに応援。きっと洋人の心の支えになっていたと思います。
トレーニングを始めてから約2年、5年生の頃からだと思います。当初はぽっちゃりしていた体型も見違えるほど引き締まり、一気に色々な事が噛み合うようになりました。試合でもこれまで勝てなかった選手に勝てるようになり、励みにもなったと思います。
最終的には6年生の越谷市の大会で優勝、団体戦では不動の大将として重責を担い、苦手だった寝技でも少年寝技大会で優勝するまでになりました。
技術的には粗削りで改善の余地は大きいのですが、良くここまで頑張ったと感心します。おそらく5年生を迎えるまでは、この成長を誰も想像出来なかったのではないでしょうか。
身内なので書きづらい面もありましたが、頑張っているけどなかなか芽が出ないと悩んでいる子供たちに、是非紹介したいと思い書きました。

中学は東京の第三亀戸中学に進学します。『年間の練習休みは正月三日間だけ』という、とても練習熱心な公立中で柔道漬けの毎日になります。

洋人へ
心折れることなく、よく頑張ったね。
東京は国士舘をはじめ、同じブロックには修徳や今年は凄い選手達が揃って入学した安田学園など、ブロック予選を勝ち上がるだけでも大変だけど、選手としても人間形成の面でも成長して欲しいと願っているよ。
卒業おめでとう。

平成25年4月19日
【第119号】