みなさん、こんにちは。
前回もお話しましたが、日によって寒暖差が大きく、風邪が流行っています。体調管理にご注意ください。
さて、今回のテーマは以前紹介した、全日本選手権の各地の予選会の中から東京都予選会を取り上げます。
3月7日(日)に今年も綾瀬の東京武道館にて開催されました。小生が初めて見た昭和56年は、講道館が会場でした。ちなみにその年は遠藤純男選手と諏訪剛選手が決勝で対戦し、遠藤選手が優勝しました。
東京都予選会は、警察(警視庁、皇宮警察)、実業団(新日鐵、綜合警備、JRA等多数)、大学(多数)が集中しており、大変な激戦区です。
代表は9人ですが、前年度優勝し東京代表として国体に出場した場合、推薦出場の権利が与えられるため、今回は立山選手(大牟田高校⇒国士舘大⇒JRA)が予選会免除となり、実質8人を選出する場となりました。
この大会は、年齢・体重無差別で実施され、その年の柔道日本一を決める【全日本柔道選手権大会】の最終予選会です。毎年、綾瀬駅から東京武道館へ向かう途中に目にする光景ですが、鍛え上げた凄い体の『いかにも大学柔道部!』といった集団が、同じジャージを着て歩いています!?
こんな凄い人達でも、更に前段階でふるいにかけられ、東京都予選の出場資格すらないのかと思うと、全日本への道の険しさ・厳しさを改めて感じてしまいます。
さて、今年の大会ですが(以下敬称略)、◆棟田(世田谷学園⇒明大⇒警視庁)が、推薦出場のため予選免除です(前年度の全日本選手権で優勝・準優勝者は推薦出場)。
小生の主観ですが、注目選手としては、◆鈴木(桂治:国士舘高⇒国士舘大⇒平成管財⇒国士舘大教)、◆高井(国士舘高⇒国士舘大⇒旭化成)、◆大藤(世田谷学園⇒日体大⇒綜合警備⇒警視庁)、◆片渕(国士舘高⇒国士舘大⇒JRA)、◆高橋(大牟田高⇒国士舘大⇒新日鐵)、◆百瀬(国士舘高⇒国士舘大)、◆上川(崇徳⇒明大)、◆小林(大輔:埼玉栄⇒日大)、◆西潟(桐蔭⇒国士舘大)、◆高木(東海大相模⇒東海大)等が有力候補かと予想していました。
結果は、高橋が優勝、西潟が準優勝、3位に高井と高木。ベスト8に鈴木、大藤、小林、穴井(亮平:東海大二⇒東海大)となりました。
鈴木はベスト8決定後、高井はベスト4決定後にそれぞれ試合を棄権しました。
優勝した高橋は、100㌔超級のナショナルチーム強化選手(最上位ランク)として、最も安定した内容で勝ち上がった印象を受けました。
準優勝の西潟も、決勝は押さえ込まれ敗れましたが、同じ階級の小林、高木を下しての価値ある準優勝でした。
高井も安定した試合内容でしたので、高橋との準決勝戦を是非とも見たかったです。
大学1年の高木は、見事に初出場を決めました。棄権した鈴木との新旧対決を見たかったですね。
大学4年の小林は、後半だいぶ疲れているように見えました。同じ階級のナショナルチームのメンバーとして、シニア強化選手の西潟に着実に勝って高橋と好勝負する位の勢いが無いと、穴井(隆将)に追い付くのは厳しいと思いました。
鈴木は、寝技で勝ち上がりましたが、立技のキレは往年の鋭さを感じられませんでした。全日本では再びあの素晴らしい足技の復活を期待したいです。
大藤は以前、東北地区代表で出ていましたが、所属が変わって東京から2年振りに出場を決めました。
大学4年の穴井は、見事に初出場を決めました。西山(国士舘高⇒国士舘大⇒新日鐵)との対戦が見たかったのですが、西山が欠場してしまい残念です。
他には、片渕・百瀬・上川(昨年3位)・吉永(170㌢80㌔と無差別の大会にしては小柄ながら昨年準優勝、全日本2年連続出場)といった選手達に本来頑張って欲しかったのですが、全日本の壁は厚かったようです。百瀬は高井に敗れたので、組み合わせが気の毒だったかもしれません。上川は、山本洋樹(埼玉栄⇒日大⇒皇宮警察)に敗れましたが、元気がなかったように思えました。豪快な内股を来年は期待したいです。
逆に活躍した選手として、山本洋樹、海老沼聖(世田谷学園⇒明大⇒警視庁。海老沼3兄弟の一番上)、佐藤(国士舘高3年)等の比較的小柄な選手が頑張っていたと感じました。とりわけ山本と海老沼はあと1回勝てば全日本だっただけに惜しかったですね。来年こそは出場権を勝ち取って欲しいと思いました。また、佐藤は高校生で、しかも体も大きくはないですが健闘しました。3戦目で高木に優勢負けしましたが、内容的には素晴らしい試合をしていたと感じました。昨年の春の高校選手権決勝で、見事な背負投一本勝ちしたシーンを思い出しました。
出場を決めた9人は、社会人が5人、学生4人。大学別では、国士舘5人(立山・高橋・西潟・高井・鈴木)、東海2人(高木・穴井)、日大1人(小林)、日体大1人(大藤)です。一昨年の9人中7人には及びませんでしたが、今年も国士舘の勢いを感じました。
他地区からは出場しますが、伝統校の明治大や中央大にも是非頑張って欲しいですね。
これで北海道地区を除き、各地から出場選手が出揃いました。
鈴木のようなベテラン選手に頑張って欲しいと願う一方で、若手の中から将来のチャンピオンを予感させるような有望選手が出てきて欲しい気持ちもあり、複雑な心境です。
最高峰の大会に相応しい、手に汗握る好勝負・熱戦を期待し、今から楽しみでなりません。既にチケットの予約を受け付けていますので、是非とも会場に足を運び全日本の雰囲気と、トップレベルの熱い戦いを生でご覧になられては、いかがでしょうか。
平成22年3月15日
【第23号】