みなさん、こんにちは。
いよいよ今週は『全日本ウィーク』です。
小生は20年以上日本武道館で生の熱戦を見続けており、父や弟と一緒の恒例行事の一つです。当初は柔道好きの父に、初月給のプレゼントとして招待した事が始まりでした。父は殊のほか喜んでくれて、今日まで続いています。さらに、数年後には東京予選も加わり恒例行事が増えました。
また、結婚後は家内の誕生日が全日本と同日のため、休日ですが昼間は一度も一緒にいてやれた事はありません。毎年心で手を合わせながら出掛けています。
前置きが長くなりすみません。本題に入ります。『全日本』出場の偉大さは、過去2回の記述でご認識頂けたかと思います。
早速、今年の見所について考えてみましょう。
身の程知らずの内容だと思いますが、あらかじめご了承下さい。なお、敬称は略させて頂きます。
今年最も注目すべきは、穴井(天理大職)の連覇なるか、だと思います。
柔道の場合、一般には大学卒業後3年前後が一番強い時期と言われており、穴井はまさにその時期です。
石井が格闘家の道へ進み、鈴木(国士舘大教)や棟田(警視庁)両ベテランに頑張って欲しいのですが、スタミナ・技のキレ共に全盛期の勢いは無いように思います。緒戦で対戦するならともかく、4試合目か5試合目となれば、穴井の有利は否めないと思います。
また、穴井より1年下の、高橋(新日鐵)や立山(JRA)は身体も大きく期待したいのですが、先日の福岡の体重別を見ても、全日本は予選で負けている石井(JRA)や上川(明大)に一本負けしています。この4人に共通して言える事は、強さと脆さが同居しており、バランスや総合力で、穴井に軍配が上がると思います。
ただし、穴井にしても連覇確実とまでは言えないと思います。技のキレはあるものの、ここ一年でも何度か負けていますし、体重も比較的軽いため、付け入る隙はあるのでは。
では、テレビで放送されるベスト8に勝ち上がると思われる選手の紹介をしますので参考にして下さい。
◆高木(19才・初出場・豪州生まれ神奈川県育ち・182cm100㌔・東海大相模中⇒東海大相模高⇒東海大2年・右組・得意技:大内刈、寝技・高校1年と3年の時インターハイ個人優勝。ちなみに1年生のインターハイチャンピオンは歴代二人だけ(もう一人は世界の山下)。川崎の柿生少年柔道会で柔道を始める。今年の世界選手権-100㌔級代表)
◆立山(24才・3回目・熊本県出身・193cm145㌔・南関中⇒大牟田高⇒国士舘大⇒JRA・左組・得意技:大外刈・高橋と同じく熊本出身、福岡の大牟田高⇒国士舘大と共に歩み、共に長身大型であることから大牟田のツインタワーと呼ばれた。昨年の全日本3位)
◆高井(27才・6回目・神奈川県出身・182cm145㌔・国士舘中⇒国士舘高⇒国士舘大⇒旭化成・左組・得意技:内股・横浜の港武館出身。中学時代から将来の大器と期待されながら、ケガが多く、全日本や世界チャンピオンに手が届かないでいる惜しい逸材。全日本3位2回。世界選手権3位。現格闘家の泉と同い年で幾多の好勝負あり)
◆棟田(29才・12回目・愛媛県出身・170cm125㌔・弦巻中⇒世田谷学園高⇒明大⇒警視庁・左組・阿達道場出身・中学時代から活躍。12回目出場も凄いが、全日本2位3回、世界選手権優勝2回等、実績多数。全日本に対する思いも強く、悲願の初優勝に手が届くか。講道学舎出身でお父さんも全日本十年連続出場経験あり)
◆西潟(22才・初出場・新潟県出身・190cm100㌔・安田中⇒桐蔭学園高⇒国士舘大⇒旭化成・左組・得意技:大外刈、払腰・安田町スポーツ少年団で柔道を始める。昨年度全日本学生優勝。社会人1年目、同じ国士舘出身の斎藤(制剛)が旭化成の監督になったばかりでもあり、張り切って欲しいですね)
◆穴井(25才・7回目・大分県出身・187cm100㌔・碩田中⇒天理高⇒天理大⇒天理大職・左組・得意技:大外刈・お父さんも大分県警で柔道をしており、最近も全国高段者大会に出場。妹も-78㌔級ナショナルチーム強化選手という柔道一家。昨年度全日本優勝、世界選手権3位。グランドスラム東京2位。恩師でもある全日本チームの篠原監督から、『全日本チャンピオンが負けるのは非常に情けない。負ける位なら全日本チャンピオンになるな!』と一喝され、今回の全日本と東京開催の世界選手権【-100㌔級は代表決定、無差別級と超級は今回の全日本後に決定】にかける気持ちは相当強いと思います。秀鋭館道場出身)
◆鈴木(29才・9回目・茨城県出身・185cm110㌔・国士舘中⇒国士舘高⇒国士舘大⇒国士舘大院⇒平成管財⇒国士舘大教・左組・得意技:足技、内股、大外刈・石下町体育協会柔道部出身。全日本優勝3回。五輪優勝、世界選手権優勝2回。一時代を築いた柔道家。天才的な足技、特に自分より大きい相手を足技の連絡技で見事な一本勝ちの美技は、また見たいですね)
◆高橋(25才・2回目・熊本県出身・187cm120㌔・一の宮中⇒大牟田高⇒国士舘大⇒新日鐵・左組・得意技:大外刈・一の宮少年柔道クラブ出身。選抜体重別では負けましたが、グランドスラム東京優勝、講道館杯優勝、全日本東京都予選優勝と実力者。福岡の選抜で負けた悔しさを是非晴らして欲しいところです)
組み合わせは、【高木・立山】、【高井・棟田】、【西潟・穴井】、【鈴木・高橋】の順番です。
なお、高木は加藤(千葉県警)に、西潟は庄司(神奈川県警)になるかもしれません。他にも皆ツボにハマれば一瞬で一本取れる人達ですし、何が起こるか解りません。
長文にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。最後に、やはりハラハラ・ドキドキ、どちらが勝つか目が離せない手に汗握る熱戦・攻防を期待しましょう!
日本武道館でお会いできる事を願いつつ…。
平成22年4月26日
【第28号】